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セレモニー黒真珠 (ダ・ヴィンチブックス) 宮木 あや子 メディアファクトリー 2009-03-25 売り上げランキング : 301365 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
町の小さな葬儀社「セレモニー黒真珠」で働く、訳あり男女三人。
彼らの仕事と恋愛を描いた、連作短編集。
それぞれの登場人物達が抱える背景が葬儀に絡み、ドラマを紡いでいく。
死を扱う葬儀社を舞台としていて、かなりシリアスな話ではあるのですが、その割にはライトな語り口でテンポよくお話が進んでいくのでサラリと読めました。
頼れるアニキという感じのかっこいい女性やメガネ男子など、なかなか濃いキャラクターが織りなす人間模様はコミカルで楽しく、いい味出してます。
ちょっと軽すぎてリアリティが無い気がしましたが、真摯に仕事と向き合う彼らの姿勢には好感が持てました。
(2012年4月読了)
★★★★
吉原で身請け直前だった花魁が謎の失踪。
その謎について若い男が事件の周辺の人々に話を聞いてゆく、という形式で物語は進む。
「手引」とタイトルにもあるように、吉原の難解なシステムについても丁寧に説明してくれるので読みやすい。
次々代わる語り手達によって様々なエピソードが積み重ねられ、葛城という花魁の輪郭がゆっくりと浮かび上がってくる。
事件の全貌が明らかになると同時に、語り手達の人生の悲哀もあぶり出されてゆく巧みな語り口にうならされる。
一点の曇りもない幸せなどないが、それでも笑って逞しく生きてゆく彼らの生きざまが、味わい深い。
(2011年1月読了)
★★★★
藤原高子を中心とした、天皇四代にわたる御代のお話。
天皇による親政を望みつつも、思うように生きられない帝たち。
政治の道具として後宮に送りこまれ、叶わない思いに苦しむ女たち。
男も女も、ままならぬ思いに苦しめられるのはいつの世も同じ。
そういう意味では現代と地続きのような感じがして、登場人物たちの心情がすんなり心に入ってくる。
若手作家の時代物を読むと、何かこなれないというか、ちぐはぐな感じがすることがありますが、この本は全然そんなことなかった。
匂い立つような文章で読み手の感情を煽り、心の水面が波立つ感覚を味わわせてくれました。
(2009年11月読了)
★★★★
女性を主人公にしたユーモア溢れるお話あり、社会派風小説あり、のバラエティに富んだ短編集。
「永遠の出口」や「DIVE!!」とはまた違った作風で、器用な作家さんだなーという印象です。
6つの短篇はそれぞれ異なる世界を題材にしていますが、どの主人公たちも不安や迷いを抱えながらも、一貫して信念を持ち自分の人生にきちんと向き合っています。
だからこそ自分のことのように引き寄せて考えることができ、こんなにも読み手の心を響かせるのかも。
丁寧に生きよう、と前向きな気持ちになれます。
タイトルが変だなあと敬遠して、今まで手に取らなかったことを後悔してます。
(2010年2月読了)
ある画家の一生の恋愛を、複数の謎に絡めて描いた壮大なお話。
オチは予想の範囲内だと思いますが、作者の強い思い入れに迫力が感じられ、読み応えがありました。
テンポが自分には合わなかったのか、淀みなく読めなかったのが残念でした。
わざとなのかもしれませんが、作風がちょっと古いかも。
(2009年6月読了)
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大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。