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豚がつづる読書ブログ
キャロリング (幻冬舎文庫) キャロリング (幻冬舎文庫)
有川 浩

幻冬舎 2017-12-06

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★★★

子供服メーカー「エンジェル・メーカー」はクリスマスに倒産することになり、子供服事業の傍ら手がけていた学童保育も同時に閉じることになった。
一方、学童に通う小学生の航平の親は別居中で離婚寸前。
航平の気持ちにほだされ、エンジェル・メーカーの社員で元恋人同士である柊子と大和は、航平の父母の仲を取り持つ画策に協力することになる。
はたして、クリスマスに奇跡が起きるのか――。

久しぶりに有川さんの作品を読みましたが、前と変わらず読みやすく安定感がありました。
クリスマスに向かって突き進む物語展開はテンポ良く、するする読めちゃいます。
完璧な悪人が一人も出てこず、どのキャラにも感情移入できました。
登場人物の誰もが、それぞれの事情を抱え、叶わぬ願いを背負い葛藤している様子に胸が熱くなります。

両親の不和に傷つく子どもの描写は切なく、胸がつまりました。
人間関係のすれ違いやままならない状況にもめげず、目の前のことを一生懸命に取り組んでいくしかないのよね。
価値観の違う他人同士でも、柔軟にお互いを受け入れ、相手に寄り添っていけば幸せに近づいていけるのかな…なんて、当たり前のことすぎて書いてて恥ずかしいですけど、多分そうなんでしょう。

闇金融の取立て屋の人物像にリアリティが無さすぎるし、ご都合主義の展開に物足りなさを感じる部分もありましたが、おおむね面白かったです。

(2018年4月読了)
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ヒア・カムズ・ザ・サン (新潮文庫) ヒア・カムズ・ザ・サン (新潮文庫)
有川 浩

新潮社 2013-09-28

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★★

幼い頃から触れたものに残る記憶が見えてしまう編集者の古川真也。
ある日、同僚のカオルの父親が20年ぶりに帰国することになった。
再会に立ち会った古川には、父親の話とは違う光景が見えた・・・。

著者の小説と、小説を原作とした舞台に着想を得て執筆されたパラレル小説の二編が収録されています。
二編はそれぞれ父親のキャラクターが違うのですが、パラレル小説の方の情けない父親の方が人間くさくて私は好きでした。

でも、なんていうのかな、手癖で書いてる気がしました。
感動するポイントがたくさんあったと思うのですが、いかにもここは泣き所だよと感動の押し売りをされているようで、あまり心に響きませんでした。

捻くれものの自分には、素直でまっとうすぎるところが合いませんでした・・・。すいません。

(2015年2月読了)
★★

成南大の制御機械研究部、略して「機研」。
爆弾魔の上野、上野の押さえ役のクールな大神。
そんな彼らを中心に、キケンの事件の数々を描いた破天荒なサークル物語。

無意味なことに全力に取り組む学生時代の男子のノリそのままに、テンポよく話が進む。

予定調和的な破天荒さがライト過ぎてもの足りないけど、面白かった。

(2011年4月読了)

★★★★

25歳のへなちょこフリーターが母親の病気をきっかけに、家族再生のために奮闘するお話。

一念発起した主人公は迷うことなく成長し、周囲も善循環していくというちょっと出来過ぎた感はありますが、そこは大人のおとぎ話として楽しめました。

あとがきでは「暗い話」と書いてありましたが、いまどき鬱病にかかることは身近でも良くある話だし、光に向けて努力する主人公の真摯な気持ちが痛いくらいに伝わってくるので特に暗い話とは思いませんでした。

キャラの立った登場人物たちがメリハリの利いたテンポで話が展開され、プラス恋愛要素あり、といういつも通りの有川さんらしいお話です。

(2009年12月読了)

★★★

別冊Ⅰより少し甘さがひかえめなので、何とか読み通せました。
めでたしめでたし~。

(2009年1月読了)
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sis
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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