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豚がつづる読書ブログ
時限病棟 (実業之日本社文庫) 時限病棟 (実業之日本社文庫)
知念 実希人

実業之日本社 2016-10-06

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★★★

閉鎖された病院に拉致監禁された5人の男女。
なぜこんな場所にいるのか? 犯人の目的は?
時限爆弾の爆発までタイムリミットは6時間。脱出できるのか――

「仮面病棟」の続編。
前作を読んでいたほうがより楽しめます。

スピード感と緊張感あふれる展開は、前作と同様の読み心地。
大掛かりなトリックと脱出ゲームの臨場感にはワクワクさせられ、リーダビリティが高かったです。
謎は結構オーソドックスで目新しさはないですが、楽しんで読めました。
人物造形と謎解きのテクニックは今一つ。

何度も読みたいかというと…1回でいいや、って感じです。

(2017年8月読了)
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仮面病棟 (実業之日本社文庫) 仮面病棟 (実業之日本社文庫)
知念 実希人

実業之日本社 2014-12-05

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★★★

療養型病院にピエロの仮面をかぶった強盗犯が籠城し、自らが撃った女の治療を要求した。
先輩医師の代わりに当直バイトを務める外科医・速水秀悟は、事件に巻き込まれる。
秀悟は女を治療し、脱出を試みるうち、病院に隠された秘密を知る――。

読みやすい文章とスピーディーな展開で、あっという間に読みました。
数人の登場人物と密室状態の閉鎖空間という、単調になりがちな話をうまく転がしているので飽きる間もなく一気読み。
次々と明らかになる情報と不気味なピエロの犯人の不穏さが、スリリングかつテンポの良いリズムを生み出しています。

肝心の謎解きや犯人当ては、既視感のある、ありふれたものでイマイチ…。
ずさんな幕引きとお粗末な恋愛要素にちょっと辟易しました。

自殺か他殺か、警察の捜査ではすぐにわかると思います。。

(2017年6月読了)
機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ・ミステリワールド) 機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ・ミステリワールド)
月村 了衛

早川書房 2014-11-07

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★★★

舞台は日本の近未来。機甲兵装(小型二足歩行兵器ロボ)を利用した凶悪な犯罪に対抗するため警視庁は龍機兵と呼ばれる新型機を導入し、傭兵や元テロリストなどを雇って特別組織SIPDを編成した。
閉鎖的な警察組織内に大きな軋轢をもたらしたSIPDは、SATと激しく対立しながらも密造機甲兵装による立て篭もり事件の真相に迫っていく。

アニメとかで観たことあるなあ・・・と既知感たっぷりの設定。
パトレイバーと攻殻機動隊と新宿鮫を混ぜたようなお話でした。

スピード感のあるリアルなアクションシーンや、緊張感あふれる警察内部の軋轢や駆け引きなど、要所要所に見せ場があるメリハリの利いた映画を観ているようでした。

曲者ぞろいの登場人物たちのひょうひょうとした会話も楽しいし、骨太な警察小説としても魅力的。

ただ、シリーズ化を前提としているのか、本書はまだ序章といった感じで、一つのエピソードは完結しているけどもこの本単体では話がまったく終わってません。

「龍機兵」自体も謎だし、警察内部の巨悪や登場人物たちの秘められた過去も、匂わせるだけで終わっています。
今後、どのようにキャラの過去を掘り下げ、話に絡めていくのか、読み進めていきたいです。

(2015年1月読了)
ジェノサイドジェノサイド
高野 和明

角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-03-30
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★★★★

民間の傭兵であるイエーガーは不治の病の息子の医療費を稼ぐため、コンゴのジャングルへ特殊任務を受けて潜入することになった。
一方、ホワイトハウスでは、アフリカで確認された脅威に対し、対策に乗り出していた。
そして、日本では大学院生の研人が、急死した父親の遺書に従って難病の治療薬の開発を始めるが…。

ストーリーを盛り上げる展開の巧みさ、スケールの大きさ、生き生きしたキャラクターの立体感、どれをとっても凄いの一言。
この壮大な物語を見事にまとめあげ、畳んでいく筆力には感服しました。

三つの視点で物語が進んでいくのですが、前半部分は話もよく見えないし、創薬の専門用語は難しいし、とにかく読みづらくてしょうがない。
でも、後半に入って彼らに接点が生まれてから徐々に真実が明らかとなり、終盤は怒涛の展開に。
子どもだましになりがちな題材を、世界情勢と絡めてうまく料理し、想像もつかない境地へと着地させています。

対極に位置する生と死、善と悪というものを並行して提示しながら、人間の本質を鋭く突いており、考えさせられます。
今まで考えたこともない、人類の存在価値という命題には打ちのめされました。

突っ込みどころは沢山ある気がしますが(難病患者の寿命がきっちりわかりすぎ、とか)、面白かったです。

(2012年2月読了)

猫も杓子も (文春文庫) 猫も杓子も (文春文庫)
田辺 聖子

文藝春秋 2011-02-10
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★★★

自由奔放に複数の恋をたのしむ一方、仕事も精力的にこなす三十歳の阿佐子の恋の顛末。
乃里子三部作と話が良く似てる。

恋が生まれる瞬間の輝きや、恋の熱に浮かされながら冷徹にその行く末を見つめる視線。
健気さと奔放さが同居した三十歳の女ごころが、余すところなく描かれている。

自分の中で言葉にできなかった感情を、艶っぽい大阪弁でリズム良く、的確に言い当ててくれる。
女の人の持ついろいろな感情がぎゅっと濃縮されているようで、面白かった。

ラストの喪失感には心をわしづかみにされ、深い余韻が残った。

(2012年2月読了)
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sis
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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