「死が最後にやってくる」アガサ・クリスティー

★★★

紀元前二千年の古代エジプトで、墓守一家に起きる連続殺人事件を描いたミステリ。

舞台は古代エジプトですが、クリスティーは当時のエジプトの生活や文化などを綿密に調べて書いたそうで、難なく作品世界に入ってゆけます。
現代を舞台にした他の作品と同じように、謎解きプラス人間ドラマとして楽しめました。

近代的な科学捜査の無い設定で、登場人物たちの行動や心理描写のみでミステリを創りあげるクリスティーの手腕はさすがだな～と思いました。

（2010年8月読了）

「牧師館の殺人」アガサ・クリスティー

★★★

周囲からはただの噂好きなお婆さん、と煙たがられているミス・マープル。
その彼女が鋭い観察眼を武器に推理していくさまは、とても痛快。

張り巡らされた伏線が最後にその実線を結ぶとき、昇華されていく謎。快感。

(2007年12月読了）

「なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか？」アガサ・クリスティー

★★★

瀕死の男が最期に残したメッセージをきっかけに、怒涛のごとく展開してゆく探偵物語。

主人公達の現実離れした探偵ごっこが不安定でハラハラさせられます。

犯人も途中でわかってしまうし、ロマンスありユーモアありの、まるで赤川次郎のようなライトミステリですが、楽しく読めるので後味が良いです。

(2007年6月読了）

 

「蒼ざめた馬」アガサ・クリスティー

★★★★

不審な死の周辺に見え隠れする霊媒師の館「蒼ざめた馬」。

オカルティックな道具立てにわくわくしながら読み進めていくと、思わぬ現実的な結末に足元すくわれました。

かわいいロマンスが挿入されてるのもクリスティらしい。
オリヴァ夫人に再会できたので嬉しかったです。

(2007年6月読了）