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豚がつづる読書ブログ
ラプラスの魔女 ラプラスの魔女
東野 圭吾

KADOKAWA/角川書店 2015-05-15

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★★★

温泉地での硫化水素による死亡事故が立て続けに起こり、地球科学の研究者の青江は調査依頼を受け現場に赴く。
二件の現場で同じ少女を見かけた青江は事故との関係を疑い少女を問い詰める。
実は彼女には物理的な予測が出来る能力を持っており、ある人物を探しているというが…。

物理的な法則を用いれば近未来が予測できるというアイデアは興味深かったのですが、意外な方向に進んでいく物語に少々とまどいました。
このお話、直球の本格ミステリというよりはかなりの変化球(SF科学ミステリ)でびっくり。

物語が進むにつれてばらばらのピースが一つにつながっていくのは爽快で、さすが東野さんは器用だな~と思いました。

ただ、複数の登場人物によって次々と視点が変わっていき、一人の人物を深く掘り下げることをしないので誰にも感情移入できません。

犯人の動機や人物像もミステリとして長編を支えるには少し弱いのでちょっと物足りず。
ラストがアレなので、続篇が描かれるとしたらどんな話になるのだろうと頭の中で補完するのは楽しかったんですけどね。

(2015年10月読了)
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祈りの幕が下りる時 祈りの幕が下りる時
東野 圭吾

講談社 2013-09-13

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★★★

加賀恭一郎シリーズ。
あるアパートで女性の絞殺死体が発見されるが、その部屋を借りていた人物は行方不明で、被害者との接点が見つからない。
捜査は難航する中、加賀は自分の母親が事件に関係していることに気づく―。

これまで明かされてこなかった加賀の父親との確執や母親のことが明らかとなり、加賀シリーズの集大成と言える作品となっています。
散りばめられた手掛かりと親子の結びつきの強さにぐっと心をつかまれ、どんどん読んでしまうという、リーダビリティにも優れたお話でした。

ただ、終盤の推理の持って行き方も「いつもの東野作品」の予想の範囲内で大きな驚きはなかったし、人間関係もあっさりしすぎていて深みが無かったです。

謎解きは面白いのだけど、何度も読み返したくなる心を揺さぶられるほどの感動を、東野作品で感じたことがないなあ。

(2014年2月読了)

麒麟の翼 (特別書き下ろし)麒麟の翼 (特別書き下ろし)
東野 圭吾

講談社 2011-03-03


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★★★

加賀恭一郎シリーズ。
日本橋のたもとでナイフに胸を刺された男が見つかった。
被害者は瀕死の状態で日本橋まで歩いてきて、力つきたようだ。彼は一体どこへ向かおうとしていたのか。
事件を解く鍵は、“麒麟の翼”に隠されている…。

心震えるような感動も驚天動地のトリックも無いんだけど、全体的にそつがない印象で、すらすら読みました。

読みやすい、質の高いミステリを繰り出してくるので、やっぱり東野さんってすごいなあと単純に思います。
「読みやすい」って軽く見られがちだと思うのですが、情報を整理して平易な表現で人に伝える(大勢の人が読みやすいと感じる文章を書く)ということは、すごく難しいことだと思うのです。

気負わず読めるし、中々読みごたえのある一冊でした。

(2012年11月読了)

夜明けの街で (角川文庫) 夜明けの街で (角川文庫)
東野 圭吾

角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-07-24
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★★

ごく普通の妻子持ちのサラリーマン・渡部は、派遣社員の秋葉とふとしたことから恋に落ちてしまう。
自分の中にまだときめく感情が残っていたことに驚きを感じた渡部は、久しぶりの恋愛に溺れてゆく。
やがて渡部は、秋葉が15年前に父親の愛人が殺害された事件で容疑者として疑われており、まもなく時効を目前に控えていることを知る…。

ミステリというよりも不倫小説。
不倫に陥った中年男性が、家庭生活と愛人との間で葛藤する様子がねちっこくリアルに描写されており、男性が読んだら身につまされそうな感じです。

ただ、渡部が秋葉のどこに惹かれたのかわからずじまいだし、クリスマスだのバレンタインだの、イベントごとに渡部が振り回されるさまはこっけいで薄っぺらく、まったく共感できません。
そんな渡部が迎えるお粗末な結末には、悪いけど失笑してしまいました。

東野作品は、気軽に手を出せるのでついつい読んでしまうんですが、拍子抜けすることも多いです…。

(2012年3月読了)


★★★

ガリレオシリーズ長編。
ミステリと恋愛小説が見事に融合したお話。

バカミスすれすれの綱渡りな殺害方法と犯人の執念に、感嘆してしまう。

タイトルの意味が最後に判るんだけど、少し違和感が残る。
女性の描き方が、男性の考えるステレオタイプな女性像っぽくて何だかもやもやしました。

(2010年12月読了)
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sis
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非公開
趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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