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豚がつづる読書ブログ

★★★

森見作品の舞台である京都を紹介したガイドブック。

写真、作品からの引用文、書き下ろしの随筆で構成されています。
森見さんの写真も載ってるし、観光に役立つガイドというよりもファンブックという感じ。

どこから読んでも良いので気楽に眺めることができ、京都観光のお供にもできます。
面白かった小説の情景を蘇らせてくれる、贅沢な一冊でした。

(2019年11月読了)
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美女と竹林 (光文社文庫) 美女と竹林 (光文社文庫)
森見 登美彦

光文社 2010-12-09

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★★★

「これからは竹林の時代であるな!」
小説の締め切りに追われて現実逃避中の登美彦氏は、将来の安泰のために多角的経営を思いつく。
幼少のころより心惹かれていた竹林の経営のために、竹林を所有する知人の実家に向かった。
荒れはてた竹林と苦闘する登美彦氏の脳裏に浮かぶのは、MBC(モリミ・バンブー・カンパニー)のカリスマ経営者となり、TIME誌の表紙を飾る自分の姿。
がんばれ登美彦氏、竹林の未来のために!
はてしなく拡がる妄想を、著者独特の文体で綴った一冊。

作者お得意のフィクション風妄想エッセイ。

くだらない、シュールすぎる、ギャグが寒い、楽屋オチ等々、読んだ方の感想は大体そこらへんにまとまるかと思います。

しかし、とりとめもない妄想をこれだけ膨らませることのできる作者の奇才には脱帽します。
これだけ中身のないことをくだくだしく書けるのはよっぽどの奇才(鬼才?)か脳味噌が溶けちまった人のどちらかに違いない(褒めてます)。

なにも考えずに楽しめる貴重な本。
これはこれで有意義な読書時間が過ごせると太鼓判を押せます!

(2015年3月読了)
聖なる怠け者の冒険 (朝日文庫) 聖なる怠け者の冒険 (朝日文庫)
森見登美彦

朝日新聞出版 2016-09-07

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★★★

主人公は京都の化学研究所に勤める社会人二年目の小和田君。
彼は「何もしない、動かない」ことをモットーとし、仕事が終われば独身寮で缶ビールを飲みながら「将来お嫁さんを持ったら実現したいことリスト」を改訂して夜更かしをすることが唯一の趣味。
狸の仮面をかぶった正義の味方・「ぽんぽこ仮面」は小和田君に目を付け、自分の後継者になることを強要する。
小和田君、その先輩の恩田さんと彼女の桃木さん、ぽんぽこ仮面を探す浦本探偵とその助手玉川さん、ぽんぽこ仮面を追う謎の組織などが絡み合い、京都の宵山の夜の果てしなく長い追いかけっこが始まった―。

面白かった・・・けど、このお話、単体で読むと何のことやら訳がわからないかもしれません。
作者の他の作品である「有頂天家族」と「宵山万華鏡」とリンクしているので、そちらを読んだほうが倍たのしめます。
この本だけ読んでも面白みが感じられないという意味では、ファンに向けたサービスのような趣向なのかな、と。
モリミーワールド初心者にはちょっと不親切ですねー。

しかしキャラがとにかくいいんですよねー、面倒くさそうな人ばかり出てくる!

小和田君は主人公のくせに「谷川でじっくり冷やした地蔵のように」じっとして動かないし、
ぽんぽこ仮面はぽんぽこ仮面でいることに自家撞着しちゃってるし、
いかに充実した休日を過ごすかということに賭けている恩田先輩と桃木さんは部外者なのに真相に近づいちゃってるし、
探偵助手の玉川さんは一番エネルギッシュに動いてるのに方向音痴で迷いまくってるし、(しかし迷うことに身をまかせたら脱出できちゃうという力技が妙に意味深だ)
そしてそして、浦本探偵は明らかに狸の矢二郎っぽいし!!

物語は進むごとに混沌として、最後はしっちゃかめっちゃかに・・・。
終盤は少し雑なまとめかたのような気がしないでもないけど笑、ストーリーの筋をまじめに追うのではなく、宵山の怪しい夜を楽しむ雰囲気小説として、読むほうもゆるーく楽しむことが肝要だと思いました。

(2016年10月読了)
新釈 走れメロス 他四篇 (角川文庫) 新釈 走れメロス 他四篇 (角川文庫)
森見 登美彦

KADOKAWA / 角川書店 2015-08-25

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★★★

「山月記」「藪の中」「走れメロス」「桜の森の満開の下」「百物語」、5つの名作短編を森見風にアレンジして焼き直した短編集。

原典は一応全部読んだことがあるのですが、別物として森見作品を楽しみました。
原作の雰囲気を継承しつつ、独特のネガティブ満載で疾走する青春小説となっています。

くすくす笑いながら、でも要所要所ではしっとりと詩情にひたらせてくれて、まあ、いつもの森見節ですよね。
若いころに読んだ原作をまた読み返したくなりました。

(2015年11月読了)
四畳半王国見聞録 (新潮文庫) 四畳半王国見聞録 (新潮文庫)
森見 登美彦

新潮社 2013-06-26

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★★★

四畳半に閉じこもる阿呆大学生たちの妄想連作短編集。

いろんな阿呆と、その妄想が炸裂してます。
四畳半王国に君臨する阿呆に、ブリーフ一丁で街に立つ阿呆。
凡人になりたい非凡人の集まり、大日本凡人會。
ついには四畳半の神様・阿呆神も登場。
ほんとにもう、面白い。この世界にずっと浸っていたい!

いつもながら諧謔を弄する登場人物達には笑いを誘われます。
友達の面白い話を聞くような楽しさもあり、入れ子細工のようなSF的な仕掛けのある話もあり、どの短編も読みごたえがありました。

愛すべき阿呆たちよ、永遠なれ!
またこういうの書いてほしい、と切実に願います。

(2013年11月読了)

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sis
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読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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