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豚がつづる読書ブログ
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★★★★

吉原で身請け直前だった花魁が謎の失踪。
その謎について若い男が事件の周辺の人々に話を聞いてゆく、という形式で物語は進む。

「手引」とタイトルにもあるように、吉原の難解なシステムについても丁寧に説明してくれるので読みやすい。

次々代わる語り手達によって様々なエピソードが積み重ねられ、葛城という花魁の輪郭がゆっくりと浮かび上がってくる。
事件の全貌が明らかになると同時に、語り手達の人生の悲哀もあぶり出されてゆく巧みな語り口にうならされる。

一点の曇りもない幸せなどないが、それでも笑って逞しく生きてゆく彼らの生きざまが、味わい深い。

(2011年1月読了)

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自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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