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豚がつづる読書ブログ
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★★★

病で家族を失った幸は大坂天満の呉服商の奉公人として働くようになり、やがて店主の女房として店を支えていくようになった。

しかし江戸進出へ準備を進める中、運命に翻弄されるかのようにまたしても幸は夫を失う。
大坂では「女名前禁止」の掟があり、幸たちは後継問題の対処に思案する。
はたして幸たちは江戸へ店を出すことができるのか―。

一年ぶりの新刊だったので、前巻の衝撃のラストについてすっかり忘れてました…。

このシリーズのジェットコースター展開には慣れてましたが、いやいや、トラブル起こりすぎですって、この店。
次から次へと難題が降りかかってきて、もし自分が主人公だったら精神が振り切れそうになると思います。
まあ、問題が起こらないと話が進まないのですが…。

幸は、夫を失っても悲しみに浸ることもできず、目の前のやるべきことを淡々とこなしていきます。
逆に言うと、あまりのショックに感情が麻痺して茫然自失状態なのかもしれません。
前巻の感想で、幸のことを「ビジネスサイボーグみたいで共感できない」って書いちゃったけど、幸は目の前のことを片付けることで精一杯で、感情を露わにする余裕も時間も無いのかも。
そう思うと、幸が不憫でたまらないですね…。
商売という男社会で生き抜いていくにはあまりにも過酷すぎます。

今も昔も、女性の運命は結婚という変数によって大きく左右されるんですねー。
なんか切ないですが、そんなことにもめげず前進していく幸の姿は頼もしいやら清々しいやら。

今巻では、商売上の工夫(マーケ戦略)のエピソードが少なかったので商売の醍醐味は感じられず少し残念。

商慣習も人の気質も異なる江戸で、幸がどのように「買うての幸い、売っての幸せ」の信条を実現させていくのか、次はどんな試練が待ち受けているのか、一筋縄ではいかない展開に期待大です。
次巻も楽しみ~。

(2019年9月読了)
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自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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