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本能寺の変後、信長の遺体はどこへ消えたのか―?
光秀や秀吉たちがどれだけ探しても見つからなかった信長の遺体。
信長、秀吉に仕えた伝記作家である太田牛一がその真相解明に挑む歴史ミステリー。
前半、牛一が大胆な推理でその行方を突き止めていく展開にはぐいぐい引き込まれる。
牛一(=作者)の推理は説得力があり、楽しんで読むことができます。
しかし中盤以降、丹波の女忍者が登場してからは主人公が謎解きそっちのけで女忍者との色恋に夢中になってしまったようで、なんだかグダグダの展開に。
最終的にはご都合主義的な流れで真実に辿りつく形になる。
七十歳を過ぎた老人と若い女性との色恋は違和感がありまくりで、萎えてしまう。
前半のリーダビリティが高かっただけに、残念でした。
(2011年7月読了)
★★★★
自選ホラー短編集。
恐怖小説の傑作といわれる「くだんのはは」を目当てに読んでみました。
噂に違わず恐ろしい。
戦争末期の殺伐さと静謐なお屋敷の対比が粟立つような恐怖を際立たせ、ひんやりとした読後感が待っています。
短編なので余計なものが削ぎ落とされている分、どのお話も純粋に怖い。
真夏に読むにはぴったりの本でした。
(2009年6月読了)
★★★
カラフルで不埒な下着を日本で初めて作った女性の一代記。
一代記とはいっても、説教臭さや自慢話とはかけ離れたもので、
夢を夢だけに終わらせない彼女の熱情が瑞々しい文章で綴られているので読みごたえがある。
そこには自信溢れる豪傑さもありながら、女性らしい実利主義や繊細さも同居している。
自分の脆さやマンネリも丸抱えにして前へ進む姿は爽快で、孤独だけどとてもかっこいい。
(2008年8月読了)
★★★★★5つ!
うらなりの視点から語られる「坊っちゃん」のもうひとつのお話。
うらなりや山嵐、マドンナのその後の人生が淡々と、でも丹念に記され、平凡な人生の妙味を感じさせられる。
とにかく着想が素晴らしい。
本歌の雰囲気や構造を壊すことなく、著者ならではの諦観をにじませ、仕掛けを施す手腕はさすが!
うまいです。
まるで漱石が書いたみたいな。
この作品自体が、正義の敗北の物語であり異邦人との遭遇物語という「坊っちゃん」を裏側から透かし読む作品論にもなっている、という・・・。すげえ。
原作の奥深さも味わえる、古くて新しい小説でした。
(2008年7月読了)
★★★
下九一色村の酪農家たちに襲い掛かる事件を描いた連作集。
殺人計画やBSE騒動、徳川埋蔵金など、たくさんのエピソードや登場人物をうまくまとめあげ、メリハリのきいた痛快コメディとなっている。
テンポの良い語り口で村の人々の個性豊かなたくましさに触れることができ、読んでて気持ちよかった。
(2008年3月読了)
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大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。