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豚がつづる読書ブログ
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銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫) 銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)
高田 郁

幻冬舎 2010-08-05

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★★★★

大坂天満の寒天問屋の主・和助は武士の仇討ちに偶然遭遇する。
和助は義侠心から、天満宮再建の為に寄進するはずだった銀二貫で仇打ちを買い、十歳の少年を引き取ることに。
少年は松吉と名を改め、商人として厳しい道のりを歩み始めてゆく。


みをつくしシリーズ同様、こちらもすごく良かったです。
王道すぎるベタなお話なのに、どうしてこんなに引き込まれるのか・・・!

主人公の松吉のひたむきな姿にも感動するのですが、周囲の登場人物たちのを優しすぎない優しさや、清冽な信念が、読んでてぐっと心に響いてきました。
苦労を重ねながら成長していく、その姿に注がれる温かい周りの人々のまなざし。
「自分も、明日も頑張ろう」と、素直に思いました。

作中に銀二貫のキーワードは何度か出てくるのですが、そのお金で買った得難いもの、その重みの価値・・・。
お金自体は俗そのものなのに、そこに人の強い想いが乗ると、こんなにも他人の心を打つのか。
何度も目頭が熱くなっちゃいました。

(2013年4月読了)

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高田 郁

角川春樹事務所 2012-03-15

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★★★★

みをつくし料理帖シリーズ。
想い人と添い遂げるよりも、料理人の道を選んだ澪。
しかし、別れを乗り越えようとする澪に更なる試練が次々と降りかかる。

ショックのあまり料理人として大切な嗅覚と味覚を失った澪は、料理に合う器を考えたり、食べる楽しみを模索したり、今できることに尽力していく。

料理そのものだけではなく食にまつわる全てのことに目を向けることで、澪は発想と視点を広げるチャンスに出会い、それが結果的に澪を成長させ、物語を広げることにつながっていきます。

すっと背を伸ばして料理に真摯に向き合う澪の姿には、自ずと襟を正し、また、心をほっと暖かくさせてくれます。

終盤はあっという展開になるけども、それでもいろんな人達の手を借りて澪は苦難を乗り越えていくのだろうと予感させてくれるラストが味わい深いです。

(2013年1月読了)

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高田 郁

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★★★★

みをつくし料理帖シリーズ。
吉原での天満一兆庵再建、破格での居抜き売却話。
野江の身請けか、己の恋の成就か。
今後を左右する大きな選択を迫られ、人生の岐路に迷う澪。

今回、すごく話が動いてます。
とうとう、澪の恋に決着がつく時がやってきました。
もう、少女漫画的展開にキュン死に(死語?)しそうになりましたよ。
終盤の展開は…あぁ…マジで心臓がポロロッカするかと思った!!
ほんとにその選択でいいの?後悔しないの?と澪を揺さぶってやりたい…!

源斉先生の秘めたる思いも、すごく切ない…。
彼、たぶんわざと傘を忘れたんだよね。
彼のささやかすぎる恋も、いつか明らかになるのかな。気になります。

いろいろ展開が盛りだくさんの巻でしたが、料理においては今回珍しく澪が大失敗をし、手ひどい批判を受けます。
このシリーズ、ちゃんと澪を失敗させるのが良いですね。
澪マンセーの味方ばかりの登場人物の中、厳しく助言を与えることが、結果、彼女を導き、成長させてくれるのかもしれません。
悩みに悩んで今は階段の踊り場にいるように見えても、その後はぽーんと一気に成長の階段を登っていけるのだろうと予感させてくれます。

今後も目が離せないシリーズです。早く次巻が読みたい。

(2012年8月読了)

小夜しぐれ (みをつくし料理帖) 小夜しぐれ (みをつくし料理帖)
高田 郁

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★★★★

みをつくし料理帖シリーズ第5弾。

意外な形で決着をつけられた美緒の恋やつる家の主人のダークな過去、澪が思いを寄せる小松原視点の章など、今回も読みごたえ抜群のストーリーでした。

四季折々の旬の食材をうまく使ってレシピを創作していくという基本的なストーリーは毎回同じなのに、不思議と飽きないです。
普段の生活ではあまり感じることのできない、季節が移りゆくさまを肌で感じられるのが好き。
それに、澪に降りかかる幾多の困難が、彼女の生み出す料理の輝きを一層浮き彫りにしているのかもしれません。
読み終わる頃にはいつもおなかが空いて困ってしまうけど…。

肩肘を張らずに読めて、心おきなくフィクションに浸らせてくれる、稀有なシリーズだと思います。

(2012年7月読了)
今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫) 今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)
高田 郁

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★★★★

みをつくし料理帖シリーズ第4弾。
様々な困難に見舞われながらも、精進を重ねるために今日も澪は台所に立つ。
ある日、伊勢屋の美緒に大奥奉公の話が持ち上がり、澪は包丁使いの指南役を任されて…。

今回は、小松原の素性やあさひ太夫が吉原に売られた経緯が明らかになり、いろいろ進展があった巻でした。
シリーズも4作目ともなるとマンネリに陥ってもおかしくないのですが、次々訪れる試練や丁寧な人物描写のおかげでマンネリを感じさせず、今回も楽しめました。

中でも一番好きなのは、最初の短編「花嫁御寮」。
叶わぬ恋に揺れる澪と美緒の後姿が切なく、目頭が熱くなります。
料理に関しては、諦めずに頑張れば澪の努力は必ず報われるけども…身分違いの恋はそう簡単にはいかないだろうなあ。
今後の展開の中で恋の行方はどうなっていくのか、ますます気になります。

文章はやや説明的なところも少しあったけど、夢中で読んでしまいました。
早く次が読みたいけど、読み終えてしまうのももったいない。
早く新刊が出ないかな。

(2012年5月読了) 
 

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プロフィール
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sis
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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