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豚がつづる読書ブログ
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出世花 (ハルキ文庫 た 19-6 時代小説文庫) 出世花 (ハルキ文庫 た 19-6 時代小説文庫)
高田 郁

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★★★★

父を失い、寺で暮らすことになった少女。
少女は縁という新しい名を住職からもらい、死者を洗い清めるというあの世への旅立ちを手伝うようになる。
江戸の人々の営みと死に触れて鮮やかに成長してゆく少女と、彼女を見守る僧や仲間達の姿を描いた、感動の時代小説。

安らかに浄土へ旅立つことを無上の願いとしていた、死と隣り合わせのこの時代、縁の、亡くなった人への細やかな心遣いや真摯な態度に心が洗われます。

みをつくしの澪と同様に、強い意志と志を持って目の前の問題に誠実に向き合う芯の強さ、ひたむきさには頭が下がる思いがしました。
心の中をさっと清らかな風が吹く、そんな読後感が良かったです。

登場するのどの人も魅力的だし、ぜひ続篇を読んでみたい。

(2012年6月読了)  
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想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫) 想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
高田 郁

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★★★★

江戸で女だてらにつる屋の料理人をつとめる澪。
降りかかる様々な苦難を周りの人達に助けられながら懸命に乗り越え、新しい店も軌道に乗っていた。
ある日、かつて若旦那と一緒に店を手伝っていた料理人が現れるが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だった―。
みをつくし料理帖シリーズ3作目。

苦労の絶えない人生だと易者にまで言われた澪の波乱万丈な運命に、毎回、夢中になってあっという間に読み終えてしまいます。

今回の一番の読みどころは、幼馴染みの野江とのつかの間の夢のような再会のシーン。
映像が目に浮かぶような情景の美しさに、心がじーんとしました。
ふきちゃんや伊佐三さんの脇キャラもいい味出してるし、小松原の正体も見えてきたし、今後の展開も楽しみ。

善意だらけの心が温まるストーリーなので、私のようなへそまがりは普段だったら好まないお話なのですが、厳しさやを悲しさを織りこみながら人情を描いているので物語世界に奥行きがあり、シリーズを続々と追いかけて読んでいきたいという気持ちにさせてくれます。

読むとお腹がすいてくるので、巻末レシピの料理を作るのも楽しみの一つです。 

(2012年4月読了)    
花散らしの雨 みをつくし料理帖 花散らしの雨 みをつくし料理帖
高田 郁

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★★★★★5つ!

澪達は新しい土地に新たな店を構え、以前とは異なる客層に工夫しながら、商いを続けていた。
新しく考案した料理がライバル店に先を越されたり、親切なお隣りさん家族が麻疹にかかったりと、今回も様々な試練が澪の前に立ちはだかる。

料理で人の心を温かくしたい、喜んでもらいたいという澪の気持ちが周囲の人々の心を動かし、苦難を乗り越えていく展開は、ベタだけど強く心に残ります。

子どもへの愛情や想い人を慕う心など、さまざまな情が物語の中にちりばめられていて、読んでいる最中は幾度も目頭が熱くなりました。

特に、幼馴染の大夫に会いに吉原に行くお話は涙腺が崩壊してしまうかと思った…!

そして、前巻にはなかった恋愛模様にわくわく。
ゆっくりと動き出した澪の恋の行く先、続きが気になります。

新キャラもたくさん出てきますが、口入れ屋のりうさんの存在感がスゴいです。
「恋ほど厄介なものはありゃしませんよ」
「楽しい恋は女をうつけ者にし、重い恋は辛抱を教える。淡い恋は感性を育て、拙い恋は自分も周囲も傷つける」
彼女の含蓄のあるセリフ、骨身に沁みました…。 

(2012年4月読了)
八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫) 八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)
高田 郁

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★★★★

幼い頃に両親を失った澪は大坂の名料理店に拾われたが、その奉公先も火事で失ってしまう。
江戸に下った澪は蕎麦屋の主人に気に入られ、調理場にも立たせて貰えるようになるが、澪の作る上方料理は江戸の人々にはなかなか受け入れてもらえない。
しかし、いろいろな出会いを通して料理の研鑽を重ね、次第に店は活気づいていく。

すごく良かったです。
温かい人情がしんしんと心に響いてきて、思わず涙してしまう場面がたくさん。
周囲の人々に支えられながら日々試行錯誤を重ねる澪の姿に、励まされるような気持ちで読みました。

江戸の人々の口に合うように心を尽くす澪の姿や、誤りに気づいて改めるまで手も口も出さないという店主の種市には、ぐっときました。
これって中々できることではないなあ、と思います。

構成もうまいし、人物や情景が生き生きと描かれているのでそれぞれの場面が自然と目に浮かんできます。
安心して、周りにもすすめたい1作です。

(2012年4月読了)
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プロフィール
HN:
sis
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非公開
趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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