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豚がつづる読書ブログ
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若桜鉄道うぐいす駅 (徳間文庫 か 46-1) 若桜鉄道うぐいす駅 (徳間文庫 か 46-1)
門井慶喜

徳間書店 2014-10-03

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★★


鳥取県のローカル鉄道のうぐいす駅には、昭和初期に著名な建築家が設計したとされる駅舎があった。
しかし、病院誘致のための駅舎取り壊し解体か、保存かで田舎町は揺れていた。
大学院生の芹山涼太は村長である祖父の命令で、駅舎の歴史を調べていくうちにある事実に気づく・・・。

若い主人公の一人称で話が進んでいくので、軽く明るいタッチでとても読みやすかったです。
主人公の涼太は、駅舎保存派の恩師筋と解体派の祖父の板挟みとなって右往左往し、あげくの果てには村長選に出馬することになってしまいます。
テンポ良く話が動いていくので出来のいいスラップスティックコメディ映画を観ている気分になりました。

歴史的建築物のうんちくや具体的すぎる選挙戦術も面白かったし、田舎独特の人間関係や過疎化事情もリアルで読みごたえがありました。

中盤までは中々楽しめました・・・が、ネタバレになっちゃうのであまり書けないけど、お話をきれいにまとめたいせいなのか終盤の展開が雑でした。
肝心の駅舎の謎についても、根拠に乏しい推測であっさりと解決してしまい不満が残ります。

また、涼太が何を考えているかよくわからないので共感しにくかった。
この理由はラストのどんでん返しのための仕掛けだったと最後にわかるのですが、もう少し工夫して描かないとただの優柔不断なナヨナヨした奴と読者に思わせてしまい、読む推進力が削がれてしまうと思いました。

あと、突然生々しい性描写が挿入されてて、びっくりしました。
これ、必要ないと思うわ~。
しかも、いかにも男子大学生の視点から成る稚拙な性描写だったので萎えました。

(2018年8月読了)
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読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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