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豚がつづる読書ブログ
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巴之丞鹿の子―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫) 巴之丞鹿の子―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫)
近藤 史恵

光文社 2008-12-09

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★★★

江戸で若い娘だけを狙った連続殺人が起きるが、被害者は皆、人気の女形・巴之丞の名を冠した鹿の子の帯締めを身に着けていた。
同心・玉島千陰はその帯締めを縁に巴之丞と出会う。
下手人の狙いは一体何なのか。調べが進むなか新たな被害者が―。

ミステリーなのですが、キャラクター設定が個性的で際立っていて読みやすかったです。
同心の玉島千蔭は男前なのに遊びに興味のないカタブツで、それとは対照的に歌舞伎役者の巴之丞や花魁の梅が枝は妖艶で謎の多い人物として配置されています。
また、遊び人で砕けた性格の千蔭の父や、生真面目で不器用な部下の八十吉など、脇を固めるキャラも魅力的。
シリーズ第一作目ですが、どの人物もキャラがしっかり立ち上がっていると思いました。

千蔭が追う事件の流れが本筋ですが、その合間に、お袖という町娘のエピソードが盛り込まれています。
最終的にお袖の話と事件が繋がり鮮やかな解決に導くという手法で、ミステリーとしては常道なのですが、作者特有の湿気を含んだ淫靡な雰囲気や女性のたくましさが読んでいて心地良かったです。

背徳的だけれども狂おしいほどに一途な愛を描いていて、心が揺らされました。
真っ当すぎる千蔭がそんな事件に関わるのが、皮肉めいていてこれまた面白かったです。

(2016年10月読了)

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自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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