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ほおずき地獄―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫) ほおずき地獄―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫)
近藤 史恵

光文社 2009-06-11

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★★★★

猿若町捕物帳シリーズ第2弾。
幽霊騒ぎに乗じて茶屋の主人夫婦が殺された。下手人は夫婦を恨んでいる幽霊だと噂が立つ。
幽霊が出た後には必ず縮緬細工のほおずきが落ちているという。
女性が苦手な“二枚目同心”玉島千蔭はじゃじゃ馬娘との縁談話に悩む傍ら、事件の解決に乗り出すが…。

人の昏い部分に光を当てた、心を抉ってくる話ですが、とても良かったです。

前作同様、通常の千蔭の捜査とお玉という少女のモノローグの二つの物語が同時並行で進み、それらがひとつに融合した時に見えてくる悲しい真実に胸が締め付けられました。

お玉の一途に慕う想いの向かう先に恋の成就はなく、『安珍清姫』の清姫の心境になぞらえたお玉の胸中を思うとやるせなく、悲しくなってきます。

過酷な運命に翻弄されながらも前を向いて生き抜く彼女の姿には女性の強さを感じましたが、そうせざるを得なかった彼女の状況は残酷すぎて、暗澹とした気持ちになりました。

それしにてもちょいちょい挟まれる千蔭の縁談話のエピソード、面白かったです。
この縁談話のオチにはいい意味で膝がガクッとしました・・・。

(2016年11月読了)
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自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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