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豚がつづる読書ブログ
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下町ロケット2 ガウディ計画 下町ロケット2 ガウディ計画
池井戸 潤

小学館 2015-11-05

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★★★

「下町ロケット」の続編。
ロケットエンジンのバルブシステムの開発により、倒産の危機を切り抜けてから数年、大田区の町工場・佃製作所は、またしてもピンチに陥っていた。
量産を約束したはずの取引は試作品段階で打ち切られ、ロケットエンジンの開発はライバル企業とのコンペとなった。
そんな時、実用化まで長い時間と多大なコストを要する医療機器の開発依頼が佃に持ち込まれたが――。

今度は医療機器の開発が舞台。
絶対に面白いとわかっているので、安心して読めますね~。

大企業の取引打ち止めや内部の裏切りなど、またしても佃製作所は危機に陥っていくわけですが、そんな逆境を乗り越えていく過程がとてもスリリングで読み応えあり。

地位と名誉を求めるあまりに人の命を助けるという本来の目的を忘れてしまった医者側の人々に対し、愚直に夢に向かって信念を貫く姿勢を崩さない佃製作所の面々。
果敢に立ち向かう彼らの姿には、人を動かし変えていくのはいつでも人の純粋な情熱であることや、原点を忘れないことの大切さ、などを教えてくれます。

ベタな勧善懲悪的な話なのですが、前作同様スカッとさせてくれます。

(2016年4月読了)
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銀行狐 (講談社文庫) 銀行狐 (講談社文庫)
池井戸 潤 村上 貴史

講談社 2004-08-15

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★★★★

池井戸潤さんの初期の銀行ミステリ短編集。

元銀行員の作者ならではの、銀行の内部システムに絡んだ事件や一般には馴染みの無い舞台裏の日常が詳細に描かれ、とてもリアリティがあって面白かったです。

やはり金が集まるところには人間の欲望や嫉妬にまつわる犯罪は付き物なんでしょうね。
短編のせいか、金にまつわる人間の明と暗がより凝縮されて描かれ、凡庸な読後感を抱かせないのが素晴らしい。

後年の作品に比べると生硬なタッチのストーリーが多く、新鮮でした。

(2015年7月読了)
金融探偵 (徳間文庫) 金融探偵 (徳間文庫)
池井戸 潤

徳間書店 2007-07-15

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★★★

不況のあおりで銀行を退職した元銀行員が、その銀行員時代のノウハウを活かして様々な事件を解決するというミステリー短編集。

銀行の融資担当だった知識を生かし金融絡みのトラブルを解決していく、というあまり見たことの無い切り口で描かれるので中々楽しめました。

他の作品のような社会に訴えかける強いメッセージ性はないのですが、身近な市井の問題を軽快に描いているし、半沢のような超人的な銀行マンではなくちょっと頼りない銀行マンを主人公に据えているという点で親しみが持て、読みやすかったです。

(2015年7月読了)
シャイロックの子供たち (文春文庫) シャイロックの子供たち (文春文庫)
池井戸 潤

文藝春秋 2008-11-10

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★★★

東京第一銀行長原支店で働く銀行員たちを主人公とした10編の短編集。

短編は主人公が異なり、10人のそれぞれの視点から銀行と言う仕事の日常やトラブルが描かれています。

銀行独特の厳しい社内規定やノルマに追いつめられたり、出世コースから外れて悩んだりする登場人物たちを見ながら「銀行なんて就職するもんじゃねえな…」と辟易しながら読み進めていきました。
すると一話完結型の短編かと思いきや、中盤以降、百万円の現金紛失事件をきっかけたとしたある一つの犯罪が浮かび上がってきて、ページをめくる手が止まらなくなります。
このあたりの情報の出し方がうまくて、抜群のリーダビリティでしたねー。さすが池井戸さん。

思ってもみなかった事実の反転には驚かされ、終盤の展開にもワクワクさせてくれました。

銀行内部でのダイナミックな事件だけではなく、人間関係的なところでも読ませてくれます。
短い一編の中で、登場人物たちの今に至る来歴や事情が簡潔かつ丁寧に語られ、家庭を持つ等身大の個人としても活写されてます。
そういう補助線がちゃんと刻まれているので、一人の立体的な人間像が立ち上がり、読み手は共感しておのずと彼らの感情に寄り添うことができるんですね。
100%悪い人間も出てこないのでとてもリアルでした。

ラストもちょっとモヤモヤしましたが・・・でも面白かったです。
こういう余韻の残る終わり方もたまにはいいと思いました(某作家みたいに、毎回はイヤだけど!)。

(2015年6月読了)
ようこそ、わが家へ (小学館文庫) ようこそ、わが家へ (小学館文庫)
池井戸 潤

小学館 2013-07-05

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★★★

ある平凡なサラリーマンの倉田が駅のホームで割り込み乗車の男を注意した。
それ以来、男の執拗ないやがらせが始まり倉田一家はストーカーとの対決を決意する。
一方、出向先の会社で倉田はある不正に気付くが・・・。

どこにでもいそうな気弱な中年の倉田が、会社と日常のトラブルを抱えて右往左往。
最初は倉田の凡庸性の中に滲み出るおかしみを楽しみましたが、中盤以降は彼のキャラクターと踏ん張りに、がんばれ!と応援したくなりました。

日常の中に存在する恐怖を効果的に配置していくやり方が実に巧みで、悪というものは必ずしも悪意に満ちた外見を持たずに近づいてくるものだよね、と読んでいて思わず実感。

人間って怖いなと感じる一方、倉田にはトラブルに一緒に立ち向かう家族や仲間の絆があって、素直に良かったねえと思っちゃいました。

(2015年3月読了)
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プロフィール
HN:
sis
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非公開
趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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