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銀翼のイカロス 池井戸 潤 ダイヤモンド社 2014-08-01 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
半沢直樹シリーズ第四弾。
今回の舞台は経営破綻したJALをモデルにした、経営再建中の帝国航空。
政治や銀行内部の圧力が働き、半沢と再生タスクフォースは再建策をめぐって対立する。
前作よりも敵が大きかったのですが、半沢の痛快ぶりは健在でした。
最初の1・2作と比べると半沢のダークぶりはなりをひそめエンタメ性が濃くなっていましたが、
勧善懲悪の予定調和な展開は安心して読めました。
映像化が楽しみです。
(2014年11月読了)
ロスジェネの逆襲 池井戸 潤 ダイヤモンド社 2012-06-29 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
半沢シリーズ第三弾。
銀行の系列子会社の東京セントラル証券に出向した半沢。
急成長したIT企業がライバルのITベンチャー企業を買収したいという相談を受けるが、アドバイザーの座は親会社の銀行に奪われてしまう。
理不尽な銀行に対して半沢が取った秘策とは―。
毎回、半沢の獅子奮迅ぶりにはスカッとしますが、今回はバブル世代と比較して割を食っているロスト・ジェネレーション世代の目線も入れ、バブル世代VSロスジェネ世代の構造を浮かび上がらせているのが新鮮でした。
世代が変わっても変わらない仕事の本質を見すえ、自身の信念を貫く半沢のブレることのない生き方には全く頭が下がります。
すごいなあ、羨ましいなあと思いますが、こんな筋を通す生き方は肩が凝りそうですね・・・。
(2014年3月読了)
オレたち花のバブル組 (文春文庫) 池井戸 潤 文藝春秋 2010-12-03 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
前作から数ヶ月、東京本店の営業部次長となった半沢は120億円もの損失を抱えたホテルの再建担当に任命される。
そんな中、金融庁検査が行われることとなり半沢らは執拗な追及を受ける。
一方、中小企業に出向中の半沢の同期・近藤は出向先と銀行との板挟みとなって苦しみ、うつ病が再発寸前。
半沢は無事、金融庁検査を乗り切ることができるのか―?
ホテル再建策を練りながら金融庁とも闘い、行内の敵にも足を引っ張られながらも、敵を追いつめていく半沢。
あいかわらず彼の手腕には溜飲が下がるし、小難しい銀行の内部事情もわかりやすく説明してくれるのでとても読みやすいです。
旧態依然とした理不尽な銀行の組織論理に立ち向かい、銀行員としての矜持を貫く半沢の姿勢は抜群の安定感ですね。
オネエ言葉でネチネチと半沢を攻める金融庁の黒崎も(池井戸作品にしては)すごく新鮮だし、同期の近藤の奮闘ぶりにも胸が熱くなりました。
ほんと、最高に面白いです。
(2013年11月読了)
オレたちバブル入行組 (文春文庫) 池井戸 潤 文藝春秋 2007-12-06 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
バブルがはじけて不良債権が社会問題化し、銀行不倒神話が崩壊してしまった現在。
バブル入行組の融資課長の半沢は、支店長命令で無理矢理融資を取り付けた企業の倒産により、5億円の損失の責任をなすりつけられる。
半沢が倒産企業の社長の動きを調べていると、そこに国税庁も動き出して・・・。
魑魅魍魎が跋扈するメガバンクをしたたかに渡っていく痛快ストーリー。
主人公の半沢はただの熱血の正義漢というわけではなく、清濁併せ呑む合理主義者という性格。
そんな彼が粘り強くかつ力強く降りかかったトラブルを切り抜けていく姿には、元気をもらえるような気がしました。
内容は割と硬派でがっつりビジネス小説なのに、タイトルがダサい&ライトなので損していると思います。
(2013年10月読了)
七つの会議 池井戸 潤 日本経済新聞出版社 2012-11-02 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
中堅メーカーやその取引先の「会議」を舞台に繰り広げられる連作短編集。
トップセールスマンのエリート営業課長が、やる気のない万年係長に突如パワハラで訴えられる。
その裏に潜むのは・・・。
閑職に追いやられた男の屈託、事務職OLの焦り、ノルマに汲々とする中間管理職の悲哀、社内政治に暗躍する役員たち・・・それぞれの視点から描かれた、会社人生にまつわる悲喜こもごもがここには全て揃っています。
会社の利益と己の良心を天秤にかけ、後者を優先できるのか。
同じ問題に実際に自分が直面したら、正義に従い声をあげることができるのか・・・と問われてるような気がしました。
組織の物差しに合わせながら自分の信念を貫き通すことがいかに難しいか、身につまされます。
答えは簡単なようで簡単ではない。
まっとうで筋の通った行動をする八角係長が会社では窓際に追いやられるが、家族関係は作中では最も良好、というのが、何とも皮肉でリアルです。
きめ細やかなディテールがリアリティーを捻出していて、一気に読みました。
そっと締めくくられるラストも、勧善懲悪ではない物語の最後としてふさわしいものだったと思います。
(2013年5月読了)
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大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。