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豚がつづる読書ブログ
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★★★

福井在住だった宮下一家は、夫の強い希望から北海道に期間限定の山村留学をすることに。
移住先は大雪山国立公園の中にあるトムラウシという集落。
虫や寒さに悩まされながらも、大自然の素晴らしさや地元の人との温かな交流を描いた、作者の移住体験記風エッセイ。

いやー、すごいです。
何がすごいって、宮下一家のフットワークの軽さ。
アクティブすぎます。

何しろ、移住した先は大自然に囲まれた寒さの厳しい過疎地域。
携帯は圏外、スーパーまで37キロ、子どもの通う学校は小中合わせて生徒は僅か10人。
その上長男は受験生だし、宮下さんの夫も北海道で職探し(移住のために福井での仕事を辞めたみたい)。
自分だったら考えられないかも…。
その逞しさには、憧れを通り越して畏敬の念さえ抱いちゃいました。

美しい景色と穏やかで楽しい暮らしが生き生きと語られていくのでどんどん読み進められます。
数の多いやたらと楽しげな学校行事や地域行事、濃密なご近所づきあい、子どもたちのオモシロ発言や珍事件など、クスっと笑えるエピソードばかり。
もちろん、描かれないその裏には初めての土地での苦労があり、楽しいことばかりではないと思います。
でも、宮下一家の面々は問題についても深刻になりすぎず、リスクを恐れずに目の前の興味あることに対して貪欲に、全力で楽しんでいきます。
日常を大切に愛おしみ、光に顔を向けてゆく家族のまっとうな姿は下手な小説を読むより面白かったです。

世間や常識に囚われて曇っていた目を覚ましてくれたエッセイでした。

(2019年10月読了)
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プロフィール
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sis
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非公開
趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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