豚がつづる読書ブログ
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首折り男のための協奏曲 (新潮文庫) 伊坂 幸太郎 新潮社 2016-11-28 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
「首折り男の周辺」、「濡れ衣の話」、「僕の舟」、「人間らしく」、「月曜日から逃げろ」、「相談役の話」、「合コンの話」の7編を収めた連作短編集。
他の伊坂作品にも出てくる泥棒の黒澤と、殺し屋・首折り男がいくつかの短編に登場しますが、趣向もテーマもばらばらで、全編を通した完成度はあまり高くないように思いました。
あとがきによると最初から連作を想定していたわけではないようで、並べてみたら結果的に緩い繋がりができたということのようです。
なので、伏線回収の気持ちよさもカタルシスも無く、SF的な仕掛けもどこか消化不良感を残すだけで必要性が感じられず。
面白かったのは、「月曜日から逃げろ」。
面白かったのは、「月曜日から逃げろ」。
構成がトリッキーで、読み終えた後にもう一度再読しました。
伊坂作品にしては珍しい恋愛話「僕の舟」。
伊坂作品にしては珍しい恋愛話「僕の舟」。
ちょっと出来すぎな気がしましたが、たまにはこんな温かみのある話もいいかも。
切ない復讐話「濡れ衣の話」、ホラーだけどなんか笑える「相談役の話」も結構好き。
「合コンの話」は構成が実験的すぎてスベっている気がするし、テーマをそのまま文章中にがっつり書いてるのがダサい。
もうちょっとうまく処理した方がいいと思いました。
テクニックが空回ってる感がします。
(2018年4月読了)
切ない復讐話「濡れ衣の話」、ホラーだけどなんか笑える「相談役の話」も結構好き。
「合コンの話」は構成が実験的すぎてスベっている気がするし、テーマをそのまま文章中にがっつり書いてるのがダサい。
もうちょっとうまく処理した方がいいと思いました。
テクニックが空回ってる感がします。
(2018年4月読了)
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アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫) 伊坂 幸太郎 幻冬舎 2017-08-04 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
妻子に突然逃げられて落ち込むサラリーマン、元いじめっこと思わぬ形で再会した元いじめられっ子、電話だけで繋がりあった男女、日本初のヘビー級ボクシングチャンピオンを巡る周囲の人々。
それぞれの人生を軽いタッチで切り取った全6篇からなる連作小説。
6篇の連作は独立したお話になっていますが、登場人物が少しずつ重なっていたり、共通のエピソードが出てきたりと、全体を通して楽しめる作品となっています。
冒頭の2話は、著者がファンであるというミュージシャンの斉藤和義の新曲のために書き下ろされたものだそうで、作中には「斉藤さん」なる人物も出てきます。
この「斉藤さん」がいかにも斉藤和義らしい立ち振る舞いをするので、ファンとしてはニヤニヤしちゃいました。
伊坂さんには珍しく「恋愛」にまつわる連作なのですが、丁寧な日常描写によって露わになるテーマにはしみじみと感じ入りました。
人の数だけ出会いがあり、それぞれの触れ合いに無数の笑いやかなしみが生まれる――と作者は教えてくれてるのかなと思いました。
(2017年9月読了)
死神の浮力 (文春文庫) 伊坂 幸太郎 文藝春秋 2016-07-08 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
娘を殺された山野辺夫妻は、証拠不十分で無罪判決を受けた容疑者
死神の千葉は調査するために行動をともにする。
シリーズ第二弾。
シリーズ第二弾。
今回も死神の千葉は大活躍。
死神の仕事とは、死ぬ予定の人間の一週間を調査し、 死を実行するのに適しているかどうかを判断し報告するというもの 。
死神が可の報告書を出せば翌日予定通りに人間は死を迎え、 見送りの報告書を出せば死なない。
ろくに調査をせず可の報告書を出す死神が多い中、 千葉は仕事はまじめにやるべきだと調査対象者に接触し調査を行っ ています。
前作同様、千葉と人間たちの会話の噛み合わなさが可笑しくて最高。
彼は常識や時間の感覚が人間とは異なるため、人間との会話には常にズレが生じてしまうんですね。
スリリングな展開と緊張感あふれる雰囲気の中でもコミカルでオフビートな味わいがたまらない。
話が重いだけに、それらの会話が救いの無さをカバーしていました。
絶対的な「悪」に対し、善意の人間が立ち向かうにはどうすればいいか。
このテーマはほかの伊坂作品にも出てきましたが、今回も様々な思索の末、辿り着いた意外な決着はとても興味深かったです。
前作同様、千葉と人間たちの会話の噛み合わなさが可笑しくて最高。
彼は常識や時間の感覚が人間とは異なるため、人間との会話には常にズレが生じてしまうんですね。
スリリングな展開と緊張感あふれる雰囲気の中でもコミカルでオフビートな味わいがたまらない。
話が重いだけに、それらの会話が救いの無さをカバーしていました。
絶対的な「悪」に対し、善意の人間が立ち向かうにはどうすればいいか。
このテーマはほかの伊坂作品にも出てきましたが、今回も様々な思索の末、辿り着いた意外な決着はとても興味深かったです。
山野辺の妻の美樹がどのようにその後を生き延び立ち直ったのか、想像を絶します。
きっと人はどん底にはずっとは居られず、時間がたてばおのずと光に目を向けていく生き物なのかもしれません。
人間の底力について考えさせられました。
(2016年10月読了)
PK 伊坂 幸太郎 講談社 2012-03-08 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
『PK』『超人』『密使』、3つの話を集めた連作集。
この3つはそれぞれ時間軸が異なり、バタフライ理論のように遠因や結果となって重なり合い、連鎖していくという趣向。
世の中を動かしている何やら大きな「力」と、それに纏わる個人のお話のようなのですが、伊坂幸太郎らしい人生訓や格言めいたものがところどころに散りばめられており、色んな要素のつまったお話です。
何だか納得できるような、できないような、不思議な読後感でした。
100%の解決に至らないもやもや感がすごくリアルで、エンタメに徹していた初期の伊坂作品が懐かしくなってきます。
(2012年8月読了)
マリアビートル 伊坂 幸太郎 角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-09-23 売り上げランキング : 5526 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
東京から盛岡に向かう東北新幹線「はやて」には、物騒な裏稼業の者たちが何人も乗り合わせていた。
狡猾な中学生・王子と、幼い息子に重傷を負わせた王子に復讐をしようとする、元殺し屋の木村。
ある大物の息子を救出し、トランクとともに護送する蜜柑と檸檬。
彼らのトランクを奪う依頼を受けた、ツキのない殺し屋・七尾。
疾走する密室の中でトランクを奪い合い、逃げる者あり、追う者あり。
サスペンスフルなのにどこかとぼけたオフビートな会話が楽しい。
勧善懲悪でありながら少しもやもやした謎を残し、それでいて読後感すっきりという絶妙なバランスが素晴らしい。
「グラスホッパー」の続編のようだけど、前作の内容を忘れてしまったので、そういう面白さを逃したかもしれないと思うと悔しい。
(2012年1月読了)
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読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
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