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豚がつづる読書ブログ
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死神の浮力 (文春文庫) 死神の浮力 (文春文庫)
伊坂 幸太郎

文藝春秋 2016-07-08

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★★★

娘を殺された山野辺夫妻は、証拠不十分で無罪判決を受けた容疑者が犯人だという証拠をつかんでいたため、娘の仇を討つことを決心していた。
死神の千葉は調査するために行動をともにする。

シリーズ第二弾。
今回も死神の千葉は大活躍。
死神の仕事とは、死ぬ予定の人間の一週間を調査し、死を実行するのに適しているかどうかを判断し報告するというもの
死神が可の報告書を出せば翌日予定通りに人間は死を迎え、見送りの報告書を出せば死なない。
ろくに調査をせず可の報告書を出す死神が多い中、千葉は仕事はまじめにやるべきだと調査対象者に接触し調査を行っています。

前作同様、千葉と人間たちの会話の噛み合わなさが可笑しくて最高。
彼は常識や時間の感覚が人間とは異なるため、人間との会話には常にズレが生じてしまうんですね。
スリリングな展開と緊張感あふれる雰囲気の中でもコミカルでオフビートな味わいがたまらない。
話が重いだけに、それらの会話が救いの無さをカバーしていました。

絶対的な「悪」に対し、善意の人間が立ち向かうにはどうすればいいか。
このテーマはほかの伊坂作品にも出てきましたが、今回も様々な思索の末、辿り着いた意外な決着はとても興味深かったです。

山野辺の妻の美樹がどのようにその後を生き延び立ち直ったのか、想像を絶します。
きっと人はどん底にはずっとは居られず、時間がたてばおのずと光に目を向けていく生き物なのかもしれません。
人間の底力について考えさせられました。


(2016年10月読了)
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読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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