豚がつづる読書ブログ
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ヒポクラテスの誓い (祥伝社文庫) 中山七里 祥伝社 2016-06-15 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
研修医の栂野真琴は単位不足のため、法医学教室に入ることに。
傲岸不遜な解剖医の光崎教授と死体好きの外国人准教授キャシーに振り回されながらも、真琴は教授の信念と一流の解剖技術を目の当たりにし、法医学にのめりこんでいく。
何の事件性もない遺体を強引に解剖しようとする光崎教授の真意は―—。
5つの連作短編集。
テンポと歯切れのいい文章と、キャラ立ちしている登場人物たちが生き生きと活躍する緩急ある構成に、夢中になって読みました。
どの登場人物も魅力的で、彼らが繰り出す明解な会話や医療に対する真摯な態度にはしびれました。
古手川刑事もキャシー教授も良いのですが、中でも光崎教授の突出したキャラの濃さが半端ない。
「生きている人間は嘘を吐くが、死体は真実しか語らない」という彼の言葉。
数多の死体と向き合ってきた、不遜な性格ながらも凄腕の技術を持つ彼だからこそ言える、短いけれど含蓄のある言葉は後々効果的に響いてきます。
また、「異状死」でもほとんどは解剖されず立件されないという日本の司法解剖の現状や、解剖を忌避する日本人独特の遺族心理など、自分の無知を思い知らされる点もたくさんありました。
人間の実態を見すえる徹底したリアリズムの眼差しは、読者をクライマックスへと力強く導いてくれます。
解剖までの手続きや医療知識が間違いだらけという感想を書いている方もいるみたいですが、エンタメとして楽しめたので気になりませんでした。
(2017年8月読了)
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自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
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