忍者ブログ
豚がつづる読書ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



★★★

ピアニストになる夢を諦め、検察官を目指し猛勉強の末、司法試験に合格した天生高春。

天生は司法修習所でトップ合格者と噂される岬洋介と同じグループに割り当てられる。
世間知らずで危なっかしい岬のフォローに回る天生は、岬の秘密を知ってしまう。
そんな折、二人は修習の一環でとある殺人事件の取り調べに立ち会うが・・・。 

岬洋介の司法修習時代を描いたお話。

過去の岬シリーズ同様、謎解き部分はありきたりで物足りないです。
ですが、これもいつもと同様コンクールでの演奏描写が圧倒的で、一瞬で惹きこまれました。
(ミステリよりも音楽描写の比重をもっと増やしてほしいぐらい…)

また、天生を中心とした、脇を固めるキャラクターたちとの岬のやりとりも楽しかったです。 
ピアニストを諦めた凡人の天生と、天才的な岬の対比はまるでサリエリとアマデウスなのですが、あまりにも世知知らずで天然な岬のフォローに回るうちに嫉妬心が消えてしまう、天生の損な役回りは微笑ましいものがありました。

そして、進路に迷いを感じる岬に対しての高遠寺静教官の言葉にも深みがあり、考えさせられました。
「仕事の価値は自分以外の人間をどれだけ幸福にできるかで決まるのだ」。
自分はそれだけの仕事をしているかな・・・と思わず我が身を振り返りました。
さすが中山七里さん、心を刺してきますね笑。

(2020年8月読了)
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新TB
プロフィール
HN:
sis
性別:
非公開
趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析

Copyright © [ 豚は無慈悲な夜の女王 ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]