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豚がつづる読書ブログ
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★★★★

ある大富豪の男が、神の如き全知全能の男に運命を弄ばれ宇宙を旅する、という荒唐無稽なストーリー。

神とは、運命とは、人間の生きる意味、などの哲学的な命題が、皮肉とユーモアに満ち満ちた文章でつづられていく。

最初は気になった硬い翻訳調の文章が、終盤のカタルシスではむしろなめらかに心に染みこんだのが不思議だった。

登場人物に感情移入するような面白さはないけど、ボディブローのようにじわりじわりと効いてくる良さがある。

まだ泣くな。

(2007年9月読了)

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★★★★

会うたびに成長してゆくジェニーを、いつしか愛してしまう若き画家イーベン。
時を越えた恋の物語。

全編に渡って流れる叙情的で喪失感ただよう雰囲気は、悲劇的な結末を予感させる。

喪って初めて得るものもあるし、喪わなければ手に入らないものがある、という恩田陸の解説が的確です。

(2007年8月読了)

★★★

殺された情報屋スピナーから主人公スカダーに託された一通の封書。
そこには、スピナーが強請っていた3人の情報と、その中の誰かから命を狙われていると書かれた手紙が。
自分を殺した人物を探して復讐をしてほしい。スピナーの願いをかなえようとスカダーは犯人探しに動き出す。

マットスカダー3作目。
事件は小粒だが、捜査の合間に時折おもてに現れるスカダーの内面の業が読ませる。
ただ、スカダーの捜査方法が行き当たりばったりでしっくりこない・・・。

シリーズのテーマである「罪と罰」。
今回の決着のつけ方も、自らの罪と罰を問い続けるスカダーならではのもの。

落ち着いた語り口に派手さはないけど、安心して読めます。

(2007年1月読了)
★★★★★5つ!

もし人類最初の人間であるアダムとイヴが日記を書いていたら...という突飛な設定の物語。

前半のアダムの日記はイヴへの幼稚な愚痴が多くて笑える。
突然あらわれた息子のカインを魚だと思ったり熊だと思ったり。

それに比べてシリアスなイヴの日記。
人間の愚かさや神の摂理について思索を重ね、ペシミズムあふれた文章。
そんな二人のすれ違いがおかしい。

エデンを追放になった後も日記は続き、ラストにほろりとさせられます。

(2006年12月読了)
★★★★

ムンクの「叫び」奪還捜査を主軸に、囮捜査と美術犯罪の実情をつまびらかに描いたノンフィクション。

囮捜査官のチャーリー・ヒルを中心に、美術捜査班の面々は映画さながらの活躍ぶり。
事実は小説より奇なりというが、まるで映画のような犯人との駆け引きのスリリングな展開に手に汗握る。

随所に過去の美術品窃盗事件やその背景を説明した横軸が入るため、少し散漫な印象を受ける。
でも、それを差し引いても面白かった!!

ムンクの豆うんちくがつまっていて二度おいしい。

(2006年10月読了)
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プロフィール
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sis
性別:
非公開
趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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