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★★★★
戦時下のロンドンを舞台に、登場人物たちが織りなす群像劇。
過去へと遡るごとに明らかになってゆく彼らの恋。
この時系列の順番は、恋の輝きが永遠に戻らないことが強調されるようで、ひどく切ない。
前作や前々作のようなミステリを期待すると肩すかしをくらうが、
抑制された巧みな描写で読み手の気持ちをそらさず、牽引力は健在だと思った。
恋に絡めとられた同性愛者たちのしっとりとしたシーンは、禁忌と抑圧あってのエロス。
かぐわしく妖しくも美しい!
ラストの奇跡的な美しさにも、胸が締め付けられてしまう。
(2008年12月読了)
★★★
初めての経験で妊娠した主人公は学校の注目の的に。
しかし母親の説得に負け、堕胎。
やけになった家出した彼女を、あるグループが受け入れてくれる。
妊娠したフリを続ける彼女の子は、予定日になっても生まれない。
そこで主人公のとった行動は…。
お話の風呂敷のたたみ方がうまく、安心して読めました。
(2008年12月読了)
★★★★
18世紀のフランス、嗅覚が異様に優れた醜いグルヌイユの数奇な物語。
彼にとって香りとは自分自身を根こそぎ奪っていく暴力のようなものであっただろう。
想像力の極北にある、そんな残酷さや暴力に触れ、人間存在の可能性に慄然とした。
紙上では直接表すことのできない「匂い」へのアプローチはとても新鮮。
立ち上がってくる「究極の香り」をどれだけ嗅ぐことができるか、読み手の想像力をためされたような気がした。
いろんな意味で危険な小説でした。
(2008年9月読了)
『穴』 の派生的作品。
スタンリーが描く、グリーン・レイク・キャンプをサバイバルするためのガイドブック(という体裁)。
『穴』を読まないとつまんないと思う。
ゼロが出演拒否して出てこないのが小憎たらしい!
(2008年7月読了)
★★★★★5つ!
少年スタンリーは無実の罪で荒野の更生キャンプに送られ、来る日も来る日も穴を掘らされる。
穴掘りの真の意図をしらされず、不安な日々を送るうちに、不思議な友情が芽生え…。
全てが奇跡的なラストに向かうための布石だったのだ、と最後に唸らせる快作。
とても奥行きのあるお話。
受け身なスタンリーの力強い一歩に、勇気づけられた!
(2008年7月読了)
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大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。