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豚がつづる読書ブログ
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★★★★

大物実業家の違法行為に関する暴露記事を書き、名誉毀損で有罪となったジャーナリストのミカエル。
雑誌「ミレニアム」を一時的に離れることになった彼の元に、往年の大企業グループの前会長から不思議な依頼が舞い込む。
それは、36年前に失踪した兄の孫娘の事件を解明してほしいというものだった。
困惑しながらもミカエルは依頼を受け、変わった風貌の女性調査員のリスベットと共に調査に乗り出した。

スウェーデンの人名は馴染みが無い上、似た名前が多いので人間関係を把握するのに一苦労。
その上、上巻は事件や背景を丁寧に描くことに費やされるので読むのに手間取りましたが、物語が動き出す後半は一転してあっという間に読み終えました。

一枚の写真から真相を辿っていくという構成は迫真のサスペンス。
ミステリ的にはひねりもなく一本調子でそんなに驚きはないけど、終盤のたたみかけるような物語の風呂敷のしまい方が見事で、べらぼうに面白かったです。

娯楽作品ながらも、女性への暴力やジャーナリズムの暗黒部分などの複合的なテーマが盛り込まれており、作者のメッセージ性が強い。
テーマをたくさん盛り込みすぎたせいか、テーマとストーリーの両輪がうまく噛み合わず、それぞれの糸が縒り合わされずバラバラに置いてある印象を受けました。

また、登場人物たちの思考や性行動に疑問を感じてしまい(特にリスベット。上巻と下巻では違う人みたい。)、それがちょっと感動から遠ざかった一因となっちゃいました。

(2012年5月読了)  

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★★★★

新聞記者のアンドルーは、彼を呼び寄せたケイトと名乗る女性から、双子の存在を尋ねられる。
そして、お互いの祖先はそれぞれに“瞬間移動”を得意演目としていたライバルの奇術師であったことを聞かされる。
二人の奇術師が残した手記によって、衝撃の事実が明らかとなる―。

物語の大半は、二人の奇術師・ボーデンとエンジャの手記を中心に構成されている。
奇術“瞬間移動”の秘密を探り合った二人の確執が延々とつづられており、てっきり瞬間移動のトリックが軸となるミステリだと思って読み進めたところ…ラストに驚愕した。

これ、SFファンタジーなのですね。あーびっくりした。

でも、すごく面白かった!
作者の超絶技巧な目くらましに、みごとに騙される快感がたまらない。
こんな、読者を煙にまくような奇想、どこで思いつくのか。

改竄によって真実を曲げられているボーデンの手記と、真実を隠しているエンジャの日記。
結局、真実は何だったのだろう…と読後に余韻が残りまくる。
濃密なデザートを食べた感じ。癖になりますね、この作者。

(2012年1月読了)
★★★

ラングドン・シリーズ第3弾。
今回は秘密結社フリーメイソンの伝説の宝物をめぐるお話。

前回同様、謎を解き、次々と提示される手がかりを追い、敵の罠にはまり…という緊迫感あふれる展開が目白押し。

ただ、ワシントンが舞台なので前作のように情景がうまくイメージできず。
知的好奇心をそそられるけども、前作ほど夢中になって読めなかった。

(2010年11月読了)
★★★★

冒頭の一行から、心をつかまれ、ヤラれてしまう。
訳がうまいのかな。

「満90歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝いにしようと考えた。」

90歳の爺様が眠る娼婦をひたすら眺めまわすという、川端康成の「眠れる美女」から発想を得た作品。
淫靡な話ではあるんだけど、日本の小説のようなウエットさはなく、どこか淡々と乾いたエロスを感じさせてくれる。

現役のジャーナリストであるパワフルな爺様がとても切なくて、愚か。
世界にコミットしようとする力強さに、何だか勇気づけられる。

(2010年7月読了)
★★★
殺人事件の裁判の話と奇術師リュウの数奇な半生が交互に語られ、意外な結末へと導かれる。
サスペンス小説の古典。

読み進むにつれ、リュウの物語が過去の話であり、裁判のパートはリュウが関係した殺人事件の話だとわかる。

はたしてリュウに何が起こったのか、彼は被告なのか被害者なのか?

この二つの話が並行して進められ収斂してゆく構成はとても見事で、高いリーダビリティで読み手を引っ張ってゆく。
ラストはパズルの最後のピースがはまるような感覚。
すっきりとした読後感で、快感でした。

(2010年8月読了)
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プロフィール
HN:
sis
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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