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「引きこもり探偵」鳥井と、彼を外に連れ出そうとする親友の坂木のコンビ。
彼らが巻き込まれた事件を連作で綴る、「日常の謎」ミステリ短編集。
事件を解決するごとに事件の関係者と友達になっていくのですが、様々な事情で問題のある彼らがとても魅力的。
登場人物が善人だらけだけど、人の優しさを信じていこうとする姿勢が読んでいて心地よいです。
ただ、鳥井と坂木の密な関係が読んでいる間気になってしょうがない。
友情を通り越して共依存状態というか、疑似ホモというか…。
二人の関係がこれからどう変わっていくのか、続編も読んでみようと思います。
作者は覆面作家だそうですが、文章から想像するに女性かな、と思いました。
(2011年10月読了)
仕事中の昼休み、ふと衝動的に不倫相手と東京行きの飛行機に乗り、そのまま故郷に戻らなかったミチル。
その後、お使いで買った宝くじが彼女の人生を思わぬ方向に変えてゆく…。
まさに禍福は糾える縄の如し。
抑えた語り口ながらも、ドライブ感溢れるジェットコースターストーリー。
人生は常に小さな選択の連続で、些細なきっかけで人生の岐路は決まってゆく。
しかしミチルは物事に直面することから逃げ続け、楽な方へと流されてゆくだけ。
そんな彼女を運命は翻弄しまくり、とんでもない方向へといざなってゆく。
あまりにも身勝手でいい加減すぎるミチルの性格には終始いらいらさせられるが、
自分も同じ状況下なら同じ行動を取るかもしれない、と思わせる著者の卓抜な描写力が素晴らしい。
もっと早くこの先を知りたいという衝動にページを繰る手が止まらず、一気読みしてしまった。
(2011年8月読了)
長年に渡る母娘の愛憎をつづった自伝エッセイ。
4歳の頃、母と手をつなごうとして振り払われ、「二度と手をつながない」と決意した洋子さん。
幼い頃から自分に虐待の如く辛く当たってきた母を、一度も好きになったことはない。
そんな母が年老いて呆け、老人ホームに入所させた時、「私は母を金で捨てた」と。
完璧な人間なんていない。
肉親でも無条件に愛情を抱けるわけではないのに、それでも自責の念にかられるのは、 それだけ親子の距離が密接すぎるからだろうか。
呆けた母親のベッドに同衾して初めて母に触れた時、「赦し」の中で近づけた二人。
「人生って気が付いた時はいつも間に合わなくなっているのだ」と書く洋子さんに、言葉を失って泣いた。
(2009年3月読了)
★★★★
大多数の方と同じく、自分にとって星新一のショートショートは読書遍歴の入口であり、全ての本の基準でした。
(今思えば高い基準だと思います)
そんな思い入れがあったので、厚い本ですが最後まで熱狂を持って読み通しました。
クールな作風からは想像もつかない創作の苦悩が描かれ、丹念に取材された証言はとても読み応えがありました。
斬新なアイディアや、わかりやすく簡明な文章は誰にでも書けるものではなく、生半可など努力では足りなかったでしょう。
年少の頃に通過点として読み飛ばしていたショートショートの向こう側には、こんなにも苦悩し、命を削るようにして書いていた星さんの姿があったなんて、想像すらしませんでした。
それだけに、文壇から評価されずに忸怩たる思いを抱え、第一線から離れていく晩年の姿には鬼気迫るものがあり、胸がつまりました。
日本のSF黎明期の様子が伺うことができたのも良かったです。
(2008年11月読了)
2巻目。コミック版はこの2巻の途中までなんですね。
後半で主人公のとある(閨における)癖があらわになるのですが、ちょっと引きました。
今まで読んできて、世界観や歴史と同様に主人公の造形も丁寧な筆致で肉付けがされており物語に入り込みやすかったのですが、この性癖は…女性読者として非常に愛しにくいです。
戦況の細かい描写も新城の気持ちに寄り添って読んだのですが、主人公に親和性を持つことができなくなると、この先読んでいくのがつらいかも…。
(2009年5月読了)
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大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。