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シャドウ (創元推理文庫) 道尾 秀介 東京創元社 2009-08-20 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
小学5年生の凰介と亜紀は幼なじみ。
凰介の母が癌で亡くなった後、亜紀の家族にも不幸が訪れる。
事件後、二人の父親の様子もどこかおかしく、鳳介自身も謎の幻影に悩まされるようになる。
謎に包まれた真相はいったい何を示すのか―。
子どもが主人公であることや、信頼できない語り手によって進められていく展開など、「向日葵の咲かない夏」と似たような印象。
「向日葵~」と同様、大人の都合に翻弄され傷つけられる子ども達が痛々しく、読んでいてつらいものがありました。
大人たちも弱い人間が多く、辛い経験をばねに成長していく子どもたちの方がむしろ強く、まぶしかったです。
そして、今回もまんまとミスリードし、しっかり騙されました。
読み手を仕向けた推理にも一見、齟齬が無いように出来ているので、終盤で二転三転していくどんでん返しには鮮やかなマジックを見ているような爽快感を覚えました。
淡々と精神病や児童虐待を扱っているので気がめいりましたが、ミステリの王道って感じで面白かったです(ミステリ的には)。
(2013年8月読了)
ラットマン (光文社文庫) 道尾 秀介 光文社 2010-07-08 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
30歳の姫川たちのアマチュアバンドは高校時代に同級生で結成してから14年。
姫川とバンドの元メンバーのひかりは恋人同士だが、姫川はひかりの妹に惹かれ始めていた。
そしてライブを一週間後に控えたある日、ひかりの身に事件が起こった・・・。
姫川の家族に起こった過去の事件、ラットマンのエピソード、プロローグの歌詞など、どれを取っても無駄のない、完璧なピースをつなぎ合わせた結果起こるどんでん返しのラスト。
騙されるものかと、丁寧に伏線を拾って読み進めたつもりでしたが、やっぱり騙されました。
でも、気持ち良くミスリードしてくれたので全く不満はありません。
小気味良いタイトル、緊迫感があふれながらも研ぎ澄まされた淡々とした描写、ちょっとしたエピソードの使い方、どれも抜群のテクニック。
努力もされていると思いますが、何というか、元々もの書きのセンスがいいんだろうなーと感じました。
(2013年8月読了)
小学生のミチオが発見した、同級生S君の首つり死体。
知らせを受けた警察が駆けつけたところ、死体は消えていた。
そして、ミチオはS君と意外な形で再会することになる…。
ホラーの味付けがされた本格ミステリ。
信用できない語り手によって詳らかになる異常な物語世界に、ゾクゾクくらくら。
後味の悪さは半端ない。
幾重にも張られた伏線を駆使し、読者をミスリードさせる技巧は素晴らしい。
ゆがんだ世界を構築しているミチオが、ただただ哀れ。
(2010年5月読了)
六篇の連作短編集。
言葉の選び方が巧く、陰惨な内容ながらも全体的に無駄がなく綺麗な印象を受けた。
絶望の中に提示される一片の希望が、物悲しい物語を美しく薄明るくしている。
秘密を抱えて生きる残酷さと、真実の持つ解毒力の強さに胸がいっぱいになった。
(2010年8月読了)
★★★★
特殊な特技を持つ私立探偵が産業スパイの調査を引き受けるが、殺人事件に巻き込まれ…。
けれん味たっぷりの設定に漫画のような展開で、ちょっと読むのがつらいなーと思いきや、最後の種明かしの瞬間まで細かい仕掛けが沢山あって楽しめました。
登場人物たちのデリケートな属性の描写も違和感がなく、さくさくと読み進められます。
(2009年8月読了)11 | 2024/12 | 01 |
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大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。