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★★★
米国留学がかかった論文コンクールで、D大学大学院の狐塚と浅葱は最優秀賞候補と目されていた。
しかし、選ばれたのはiという謎の人物で、結局、iは最後まで正体を現さなかった。
2年後、iの正体を探っていた浅葱はiから意外な事実をつきつけられ、殺人ゲームに誘われる――。
長い長いお話。上下巻で、かなりのボリュームです。
登場人物たちの気持ちをとっても丁寧に掘り下げて描いているので、こんなに長くなってしまうんですね。
それがちょっと物語の流れを止めてしまい中だるみになっているのですが、後半になるにつれ、テンポ良く怒涛のごとく話が進行していくので、一気に読んでしまいました。
殺人ゲームに振り回されて狂気に陥っていく浅葱の心理描写がこのお話の一番のキモなのですが、いつまでもこの悪夢のような物語を終わらせない妖しさがあり、読みごたえ抜群でした。
でも、切ないお話ではあるのですが、いっぱいツッコミどころがあると思いますね~。
まず、ミステリだと思って読むとガッカリさせてくれました。
読者に提示される手がかりがフェアではない気がします。(冒頭の1行目。これはアウトでしょ・・・)
ミステリ寄りなサスペンス、って感じです。
また、登場人物達の、若い頃ならではの強烈な自意識や潔癖さが、痛々しくって恥ずかしかった!
タイトルから類推するに、大人になりきれない子ども達の葛藤や切実さを描いているのでしょうが、青春時代が過去のものとなりつつある身にとっては、どうもね。
彼らの気持ちが解る分、恥ずかし過ぎるのよね。
勿論、そのアンバランスさが魅力的なんでしょうけどね。
しかも、リアルなキャラクターならともかく、設定も会話も全くリアルじゃないのでいまいち話に入りこめなかったです。
特に、主人公格の月子が、女子受けしない、友達になりたくない女の子だから、もう…。
「冷たい校舎の~」や「スロウハイツの神様」もそうだったけど、辻村作品の主人公の女の子にまったく共感できません。
そういう読者も結構多いと思うので、余計なお世話かもしれませんが、もったいないと思うなあ…。
(2013年12月読了)
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大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。