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豚がつづる読書ブログ
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★★★

人間より猫の方が多い猫の楽園・通称「猫島」の海岸で、ナイフの突き立った猫のはく製が見つかる。

さらに、マリンバイクで海を暴走する男が、崖から落ちた男と衝突して死ぬという事件が起こる。
猫アレルギーの警部補が辿り着いた真相とは?

葉崎市シリーズのミステリ長編作。

殺人や麻薬事件等、起こる事件は不穏そのものだけども、猫が随所に現れるせいなのか、
のどかでとぼけた雰囲気を醸し出しています。

出てくるどのキャラクターも一癖あり、人間味あふれていて何だか憎めません。
皆、まるきりの善人というわけでもないし悪人なわけでもない。
でもちょっとズレていて、奇妙な事件が起こっているのに緊張感に欠けるところが笑えます。

干潮時には本土と陸続きになるが生活するのに不便な離島の暮らしが淡々と語られ、
大変だなあと思うものの、この雰囲気のおかげで猫に癒されながらスルスル読めちゃいます。

ただ、フックが無さ過ぎて中盤は少し単調に感じてしまいました。

散りばめられた伏線がラストに向かうにつれてきちんと回収され、小粒ですがミステリとしても申し分ない作品です。

一点だけわざと解決されない謎があるんですが、これが気になって気になって…二人の間に何があったんだ~。
(本筋の事件には関係のない可愛らしい謎なので、解決しない方が味があるのですが…)

(2019年3月読了)
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sis
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非公開
趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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