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豚がつづる読書ブログ
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リカーシブルリカーシブル
米澤 穂信

新潮社 2013-01-22

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★★★

父親が失踪し、中学校入学を前に母の故郷へと越してきた少女ハルカ。
新しい環境ににうまく馴染めるか不安を抱えていた彼女だったが、リンカというクラスメートと友達になり、なんとか目立たないようにクラスに溶け込んでいく。
しかし弟は急に予知能力を発揮し始め、それに苛立つハルカはこの地に伝わる、未来を知る「タマナヒメ」の伝承を一人で調査していく。

よそ者を受け入れない閉塞的な周囲の不穏な空気に怯え、家では血の繋がらない家族の顔色を窺う。
そんな逃げようのない状況が少女の一人称で綴られ、真綿で首を絞められるような、痛々しくてイヤ~な感じが、読み手の気を滅入らせてくれます。

不気味な伝奇サスペンス調で話は進んでいき、中盤は少しダレますが、終焉に向って一気に伏線が収斂され、ミステリ的な大きな仕掛けが露呈されていくのが鳥肌ものでした。

結末のその後はどうなっちゃうのだろう…。
最後にハルカが見せる力強さやかすかな希望に少し安心したけれど、姉弟の置かれた状況やこれからの苦難を考えるとやるせない、重い気分になりました。

米澤さんは、人を嫌な気持ちにさせるのがほんとうまい作家ですね(誉めてます)。

(2013年4月読了)

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sis
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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