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豚がつづる読書ブログ
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★★★★

文化祭の最中、学内で起きた連続盗難事件。
発注ミスで大量に印刷してしまった文集「氷菓」の完売を目指し、古典部の知名度を上げるため奉太郎たちは事件の謎に挑む。

シリーズで一番面白かった!

まず、全体に流れる、文化祭ならではのお祭り騒ぎの雰囲気。
やたらと楽しそうで、わくわく感が伝わってくる。

お料理バトルやクイズ大会の細かいディティールも、本筋に関係ないけども、自分も参加しているような臨場感を高めてくれた。

謎事件に絡んで、部活内の対立や作者探しの横筋も読みごたえがある。

また、今回は登場人物4人の多視点で物語が進んでいく。
前作まではただのお調子者であると思われた里志や、ツッコミ役の摩耶花の内面が掘り下げられ、厚みのある人物像となっている。
(奉太郎の自己韜晦や千反田の好奇心が、少し薄っぺらく見えてしまうほどに。)

特に、『特別』への隔たりを強く感じている里志の葛藤や諦観が、事件の真相とあいまって苦い読後感を残してくれる。

ご都合主義的な奉太郎の姉の裏技行動も、前作からの存在感ゆえ。
飛び道具的存在として今後もちょくちょく出てきそうで、期待大。

(2009年11月読了)
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自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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