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豚がつづる読書ブログ
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殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫) 殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)
真梨幸子

徳間書店 2011-05-07

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★★★

一家惨殺事件で、ただひとり生き残ったフジコ。
叔母に引き取られ転校することになったフジコはその後も暴力やいじめの標的となり、その心を歪ませていく。
やがて衝動的に最初の殺人に手を染めてしまい、彼女は自らの欲望のために、邪魔な人間を次々と殺していく。

針が振り切れちゃってるかのように短絡的に殺人を重ねていくサイコパスのフジコの様子に魅入られ、あっという間に読み終えました。
目を覆いたくなるおぞましい描写の数々も、突き抜けると喜劇となってしまうんですね。
殺人描写も凄惨すぎて、笑いが込み上げて来ます。

誰もが、自身の幸福を阻害するものとは折り合いをつけながら生きていると思いますが、歪んだフジコにはそんな常識は通用しない。 

幸福追求という、目的は人並みなのにその手段が常軌を逸している彼女の行動論理には全く共感できず、終始イヤ~な感じでした。

でも、決して楽しい読書時間ではなかったのですが、妙に心に残るものがありました。
共感を徹底的に拒む「悪」のキャラクターを描くことで、より深いところで人間の本質の輪郭を捉える事ができるような気がします。

また、最終的にはどんでん返しというミステリとしての仕掛けも施されているのですが、あまり作用されていない感じ。
フェイクが下手なので、読者を真相までうまく誘導できてないと思いました。

なんだかんだいって次の真梨作品を読もうとしている私は、作者の術中にはまっているかもしれない・・・。

(2015年2月読了)
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自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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