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豚がつづる読書ブログ
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下町ロケット (小学館文庫) 下町ロケット (小学館文庫)
池井戸 潤

小学館 2013-12-26

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★★★★

かつてロケット開発に関わっていたが打ち上げ失敗の責任を負って会社を辞め、実家の中小企業を継いだ佃航平。
しかし大企業による突然の取引停止に苦しめられるだけではなく、特許侵害で訴えられ、佃製作所は倒産の危機に瀕していた。

面白かった!!
大企業を相手に中小企業の佃製作所が死力を尽くして戦っていくというオーソドックスな勧善懲悪ストーリーですが、手に汗握る展開にとんでもなく胸が熱くなりました。

今回のお話は「特許」が軸となっていますが、知的財産権という分野はわたしは全くの無知だったので知らないことがいっぱいでした。
せっかくの知的財産を有効に活用しないと、他社から悪質な侵害を受け、訴えられたら社会的信用を失い資金繰りにも困るとか…勉強になりました。

様々な立場の者たちの思惑や権謀術数に巻き込まれつつも、佃社長が理詰めと情でそれらをねじ伏せていくさまはまさに痛快。

大企業から高額の特許譲渡を迫られたとき、ものづくり魂に燃えた佃は自社生産による部品提供を望むのですが、社内の反対に合います。
そのとき、愚直な佃と経理部長の意地と情熱に周囲は揺さぶられ、賛同していく様子が説得力を伴って描かれています。
やはり、人を動かすものは給料や安定よりも仕事に「夢」を感じさせてくれる情熱なのでしょうか。

理想を理想で終わらせないために、たゆまない努力を重ねる佃社長と周辺の人々の姿には涙が止まりませんでした。

(2016年6月読了)
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自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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