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豚がつづる読書ブログ
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★★★★★5つ!

おばあちゃんに市松人形のりかさんをプレゼントされたようこ。
リカちゃん人形が欲しかったようこはがっかりするが、りかさんと会話ができるようになり、彼女を通じて他の人形達の語りに耳を傾けていく。

持ち主の人間の記憶や想いを引き受けて、人形は人間の業を宿す。
そのことが読んでいてひどく怖かったが、本当に怖いのは人形ではなく人間のほうだと気づいた。
蓄積されてきた業を、りかさんとようこがそっとすくい取り解消していく様子には暖かく晴れ晴れとした気持ちになる。

また、おばあちゃんがようこに、様々な価値観の違う人たちが集う世界の捉え方や関わり方を静かに伝えてくれる場面は印象的。

「価値観の同じ人と結婚したって、修行にはならないじゃないか」
「澄んだ差別をして、ものごとに区別をつけて行かなくてはならないよ」そのためには、「まず、自分の濁りを押し付けない。それからどんな『差』や違いでも、なんて、かわいい、ってまず思うのさ」

「からりからくさ」の後日談である「ミケルの庭」も併録。

子どもの病気の話でもあるし、紀久の葛藤は読んでいて重かったが、すがすがしいラストは明るい気持ちで本を閉じることができた。
赤ちゃんのミケルが世界を認識していく描写も素晴らしい。

(2007年9月読了)
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読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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