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水底の棘 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫) 水底の棘 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)
川瀬 七緒

講談社 2016-08-11


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★★★★

東京荒川の中州で発見された変死体。
損傷が激しく身元特定は困難を極め、他殺か自殺か事故かどうかもわからない。
解剖医と鑑識の判定に法医昆虫学者の赤堀涼子は異論を唱え、独自に調査を開始する。
捜査本部の岩楯警部補たちと連携し、彼女が見極めた事件の真相は――?

法医昆虫学捜査官シリーズ三作目。
毎度毎度、遺体に残されたウジやわずかに付着した虫や微生物から緻密な赤堀の捜査が始まるわけですが、今回は水中の生き物たちの生態も描かれていて、赤堀先生の守備範囲の広さには驚きました。
海の虫の描写も気持ち悪いったら・・・思わずウェブで虫たちを画像検索しましたが、ほんともう、見るんじゃなかった・・・大後悔です。

刑事たちは被害者の刺青から真相に迫っていくのですが、赤堀と刑事たちの捜査が交わる時、終盤の半端ないデッドヒートに突入。
最後は一気読みでした。

ミステリって、「誰が」殺したのかという点を推理する話は多いと思うのですが、この作品では容疑者どころか、被害者の身元は半分以上読み進めても不明のまま。
被害者が「どこで」死んだのか、それだけを愚直に突き詰めていく。
被害者が明らかになりさえすれば、「誰が」「いつ」殺したのか自ずと明らかになるだろうという考えのもと、自分のできることをひたすら掘り下げていく赤堀。
そして彼女を信頼して彼女の情報をもとに捜査していく刑事たち。
3作目にして登場人物たちの関係が以前よりも強固になり、信頼のコールアンドレスポンスがきちんと作用していることに何だか安心感をおぼえ、いつの間にか彼らから目が離せなくなっていることに気づくんですねー。
私にとって、いつまでも読んでいたいシリーズになってしまいました。

乾燥アリのフェロモンを赤堀と岩楯が並んで吸引するシーンは・・・とてつもなくおかしい。
こういうユーモアや皮肉っぽいエピソードがちょいちょい入ってるのもたまらない!

(2017年2月読了)
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読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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