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チヨ子 (光文社文庫) 宮部 みゆき 光文社 2011-07-12 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
作者の単行本未収録のものを集めた短編集。
ホラーあり、ファンタジックなものもあり、少し不思議なテイストのお話が多かったです。
印象に残っているのは、「いしまくら」と「聖痕」。
『人は見たいものを見る。外界を見ているつもりでも、結局は自分の心の内側を見ているだけなのだ。』
「いしまくら」の一節です。
人は、見たいものしか見ないんですね。
自分にとって都合の良いものしか視界に入れず、世界を構築していこうというのは人の傚いだなあ…と胸に落ちる一節でした。
一番衝撃的なのが、「聖痕」。
神について考察を重ねたSFなのですが、そこはかとない気持ち悪さと後味の悪さが、後をひきました。
特にラストに関しては完全に読者の想像の上を行く展開になっており、いろいろ考えさせられます。
短編集でも、がっつり読みごたえがあって満足でした。
(2013年12月読了)
ここはボツコニアン 宮部 みゆき 集英社 2012-02-24 売り上げランキング : 164983 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★
ボツネタが集まってできた「ボツコニアン」という世界を冒険する双子男女のファンタジーRPG。
できそこないの世界をより良い世界にするため、伝説の『長靴の戦士』に選ばれたピノとピピが冒険の旅に出る…。
普段の作者からは想像できないほどライトな、というか超テキトーなメタフィクション的物語。
文中に、語り手の作者による登場人物へのツッコミやリアルなゲームの話がガンガン入るので、ゲームファンでもない読み手の目はどんどんすべっていっちゃいます。
ハードな他の著作の合間に、思いっきり肩の力を抜いて描いてるんだろうなー、書いてる宮部さんが一番楽しそう…という、それ以上でもそれ以下でもない感想しか出てこない。
こんなやりたい放題な宮部さんの本、すごく貴重かも(笑)。
(2012月9月読了)
ばんば憑き 宮部 みゆき 角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-03-01 売り上げランキング : 60631 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
江戸の市井の人々が出会う、さまざまな怪異を描く短編集。
背筋が寒くなり、底冷えのする怪しの数々。
温かな人情とおどろおどろしい怪異が同居し、絶妙なバランスを備えている。
それらの奥底には、どうしようもなく避けられない運命への哀切や諦観が透けて見え、作者の人間を見る目の温かさが伝わってくる。
誰の心にもひそむ邪悪な感情にぞっとする一方、立体的な生き生きとしたキャラクターに元気をもらうことができた。
一話ずつ、ゆっくりと楽しみたい佳作。
(2011年7月読了)
宮部みゆきのファンタジー小説。
“物語”を軸とする壮大で重厚な世界観は素晴らしく、どんな物語が始まるのだろう、とわくわくしながら読み進めた。
でも、新聞小説のせいかテンポが悪く、重複した説明描写が多い。
道具立てや戦闘場面なども、どこかで見たことあるような薄っぺらな印象が残る。
最後のほうは怒涛の展開になるので一気に読めたが、中盤までは惰性で読みました。
(2009年7月読了)
★★★★★5つ!
曰く付きの古い写真館を購入し、移り住んできた花菱一家。
高校生の花菱英一は、ひょんなことから心霊写真の真相究明を引き受けることに…。
700ページ超えのお話ですが冗長過ぎず、ずっとこの世界に浸っていたくて、読み終えるのが惜しかったです。
登場人物がみな善人すぎる気がしますが、優しい時間を堪能できます。
一枚の写真から立ち現れ、つながってゆく人の想いに思わず胸が熱くなりました。
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大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。