豚がつづる読書ブログ
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★★★
異端の女性民俗学者・蓮丈那智が、助手でワトソン役の三國と共に事件を解決するシリーズ第二弾。
即身仏や大黒天、三種の神器、御蔭講などを題材にした五篇の短編集。
前作ではフィールドワーク先で事件が起きるというパターンでしたが、今回は大学周辺の日常の中での事件が多く、蓮丈先生が怪我したり失踪したり犯人扱いされたりと、バリエーションに富んだ展開が楽しめました。
こんなに頻繁に危険な目に遭う学者なんているのかな、と思うけど、事件に巻き込まれないとお話にならないしね…。
まあ、マンネリにならないように色んなシチュエーションを描いていて、読み手としては飽きません。
今作でも民俗学仮説が現実の事件と絡み合い、学究の考察を進めることによって事件の真相が明らかになったり、その反対もあったりして、巧妙な構成にわくわくしながら読みました。
印象に残ったのは、即身仏と塞の神を描いた表題作の「触身仏」や、神の変遷を描いた「大国闇」。
支配者によって塗り替えられるのは歴史だけではなく神々も変貌させられて…というのが面白いわ~。
古代史の暗黒面もたくさん描かれていて知的好奇心が刺激されます。
「触身仏」のラストは珍しく幻想的に仕上がっていて、自分の好みでした。
「死満瓊」や「御蔭講」も面白かったけど、民俗学的考察や解釈に飛躍がありすぎな気がしてちょっと読みにくかったです。
知識が増えることでまた違った側面が見えることもあるので、単に今のわたしは知識が足りなくて理解できなかったのだと思います。
(2019年7月読了)
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自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
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