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豚がつづる読書ブログ
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ジョーカー・ゲーム (角川文庫)ジョーカー・ゲーム (角川文庫)
柳 広司

角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-06-23
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★★★★

戦時中、陸軍内にスパイ養成の為に秘密裏に創られた「D機関」。
陸軍内からは猛反発を浴びるが、訓練生たちは軍隊とは真逆の「死ぬな、殺すな」のモットーを叩き込まれる。
優秀な元スパイの結城中佐のもと、訓練生達は超人的で非情なスパイとして成長し、各国で暗躍してゆく。

それぞれ登場人物や舞台が異なる連作短編集なので、誰がD機関の人間なのか、オチをどう持っていくのか、緊張感あふれる展開にわくわくしながら読みました。

軍内部闘争の謀略あり、捕らえられたスパイの脱出劇もあり、一筋縄ではいかない諜報戦の数々。
本格ミステリの味付けもあり、幾重にも楽しめる一冊です。

(2011年10月読了)

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★★★

銅版画家の山本容子さんの半生を綴った自伝。

雑誌やCMで見た印象とは異なり、愚直なまでのストイックさで作品と向かい合う姿が描かれている。
作品のために切り捨ててきた部分や傷つけた人たちのことも赤裸々に描いており、その正直さは読んでて気持ちいい。

自分の思いに正直に生き、やりたいことに全力投球してきた人は、年齢を重ねてもなお他人を惹きつけるのだなあと納得。

(2010年7月読了)

★★★★

昭和11年から23年にかけて、犯罪史上未曾有の四度の脱獄を実行した無期刑囚、佐久間清太郎。
実際の人物をモデルに描かれた小説。

大胆な行動力と緻密な計画でもって脱獄する佐久間と、必死でそれを防ごうとする看守たちの攻防。

佐久間の超人的な手口に不謹慎ながらもわくわくするのですが、戦中戦後の刑務所の実態についても綿密な調査により詳細に描かれており、昭和の監獄史としてもとても読みごたえがあります。

著者の筆は常に冷静で、緊張感を際立たせています。
とにかく面白かった!

(2011年2月読了)

★★★

妻子を失ってホームレスになった医師。
住み着いた街で、彼がかつて助けた少年と出会う。
折しも、その街では連続殺人事件が起こっていた。
ひょんな事から事件の調査を始めた主人公は、次第に少年が犯人ではないかと疑うようになる…。

非現実な設定やご都合主義的な展開に疑問を覚えつつ、読み進めていくうちに主人公が深い悲しみの中を生き抜いている生身の人間として立ち上がってきた。

人の心を殺した「償い」とは?
そして、生きる意味とは?
登場人物が抱える罪と罰を、真摯に、丁寧に作者は追求してゆく。

うーん…
重い問題に迫っていながらも、構成が杜撰すぎていまいちテーマに集中できないかも…。

(2009年8月読了)

★★★

淡々とした切ないお話が多くて、でもライトで読みやすかった。
装丁も栞もとても綺麗で、お話の雰囲気を広げてくれる。

ただ、昔の日本の設定の話なのに現代的な感覚で描かれていることに、違和感を覚えてしまった。
そういうのは求められていない幻想小説だとはわかっているんだけど、一度気になったら果てしなく気になっちゃって・・・。

(2008年4月読了)

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プロフィール
HN:
sis
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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