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ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)
ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)三上 延

アスキー・メディアワークス 2013-02-22


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★★★

ビブリア古書堂4作目。
乱歩フリークの旧客からの依頼は、所有している乱歩のコレクションを譲る代わりに、金庫を開けてほしいという謎めいたもの。
調査を開始した栞子たちの前に姿を現したのは、十年ぶりの再会となる栞子の母・智恵子だった。

今までは短編集でしたが、今回は江戸川乱歩にじっくり焦点を当てた長編。
ストーリー自体も乱歩作品をうまく取り入れており、乱歩ファンには堪らない出来になっています。
個人的に乱歩の大人向け短編が大好きなので、乱歩の不思議な世界と一緒に謎が展開されることによって新たな乱歩作品を読んでいるように感じ、すごく楽しめました。

副題の「二つの顔」とは、『うつし世はゆめ よるの夢こそまこと』という乱歩の言葉にもあるように、コレクターの鹿山や栞子の母の二面性を示しているのでしょう。
栞子の母は欲しい本はどんな手段ででも手に入れるという、「一線を越えてしまった人」と捉えていたのですが、終盤では普通の母親らしい面も見せ、多面的な、人間らしい立体感を持った像として心に残りました。

本を間に挟むことでしか他者との関係を成立させられなかった栞子のじれったい恋模様も大きな動きがあり、読みどころが多かったです。

「物語はそろそろ後半戦」だそうなので、次回作も楽しみです。

(2013年8月読了)

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自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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