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雀蜂 (角川ホラー文庫) 貴志 祐介 角川書店 2013-10-25 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
冬の山荘で小説家の安斎を突然襲ったのは、スズメバチの大群だった。
過去に蜂に刺されたことのある安斎は、もう一度刺されると命が危ない。
逃げ場のない恐怖の中、蜂との壮絶な死闘が始まった…。
追いつめられた主人公が知恵をフル活用してその場にあるものを武器にし、殺人ハチと対峙していくという展開はかなりハラハラさせられました。
日用品の意外な使い道の知識も満載で、ムダな知識が増えました!
ヒッチコックの「鳥」のような感じで映像化されたらパニックムービーとして結構面白そうではありますが、スキーウェアやガムテープで武装した男がハチ相手に闘っているところを想像すると、喜劇にしかならないかも…。
取ってつけたようなラストはひねり過ぎていて、「それ必要なのか?」って感じ。
伏線は張ってありますが、納得感があまり無い…。
(2014年4月読了)
デッドマン 河合 莞爾 角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-09-25 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
体の一部を切断された遺体が都内で次々と発見される。
一方、見知らぬ部屋で目を覚ました「僕」は、自分が他人の体をつなぎ合わせて作られた存在であることを知らされた。
連続猟奇事件の背後に隠された驚くべき秘密とは…。
初めて読む作家さんのお話でしたが、面白かったです。
ちっともリアルな話ではないのに絵空事でないと思わせてくれる、「読ませる」手腕が半端ない。
ひたすらグロテスクで異様な話になるところを、登場人物たちの軽快な会話の応酬が効果的に挿入され、リーダビリティ溢れるメリハリのある展開に仕上げているのがすごい。
読み終えて時間が経つと、「奇想天外なトンデモ話だなあ…」と思いましたが、読んでる最中は夢中になれるという点が、この物語の最大の魅力だと思います。
(2013年11月読了)
文庫版 死ねばいいのに (講談社文庫) 京極 夏彦 講談社 2012-11-15 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
殺された派遣OLの亜佐美の事を知りたいと、若い男・健也が関係者を訪ねて歩く。
誰もがいぶかしみながら亜佐美について話し始めるが、話すのは自己正当化された言い訳ばかり。
健也はその自己欺瞞を暴き、言い放つ――「なら、死ねばいいのに」。
話を聞く先々で、健也は関係者たちが隠しておきたい事実や欺瞞を暴いて論破し、ばっさばっさと切り捨ててくれるので、思わず爽快感を味わえます。
でもその欺瞞は誰にでも覚えがあるような感情なので、爽快感と共に、後暗いところを指摘されたような感じがして、生まれてきてすみませんと懺悔したくなりました。
そんな感じで読み進めていくと、終盤では健也と亜佐美がまるで別人のように。
それまでの人物像と落差があり、違和感を覚えました。
なんだか人の顔をしたあやかしのよう・・・。
結局、「自分をごまかさず、死ぬ気で頑張れよ!」ってことなのかな。
そんな説教めいたことを描きたかったのか??
どこが面白いのかよく解らなかった作品でしたが、後味の悪さは天下一品です。
それを狙って描いたのなら、大当たりですよ、京極さん!
個人的に、京極さんの独特の言い回しが苦手なので京極作品を7年ぶりくらいに読んだのですが、この文章は中毒性があるのか、クセになりそう。
また読み返そうかな。
(2013年5月読了)
私たちが星座を盗んだ理由 (講談社ノベルス) 北山 猛邦 講談社 2011-03-08 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
現代ものあり、ファンタジーテイストものありの、多彩なミステリ短編集。
裏表紙に「全てはラストで覆る」と煽り文句が書いてありますが、ラスト一行で物語の筋や解釈が全く変わってしまうわけではなく、インパクトのある結末が読み手に驚きと不思議の余韻を残す、という感じ。
切なさとブラックさが同居した、淡々とした雰囲気でお話が進む中、ラストの反転が鮮やかで思わず「うっ」と声に出してしまったくらい。
秀逸すぎる後味の悪さに、ヤラれてしまいました。
抑制された文章の中に心の澱みが描き出される、ほろ苦い味わいの佳作。
(2012年12月読了)
ねにもつタイプ 岸本 佐知子 筑摩書房 2007-01-25 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
翻訳家の岸本佐知子さんのエッセイ。
岸本さんの訳す海外小説が風変わりで面白いものばかりなので、そんな彼女の書くエッセイは面白いに違いないと、読んでみました。
予想どおり、抱腹絶倒の面白さ。
創作小説のような脳内妄想に爆笑し、鋭い洞察力に脱帽する。
さすが翻訳家だけあって言葉の扱いが巧みで、するするとあっという間に読了。
読後感は、夢の残滓が脳みそにまとわりつく感じ。
今見たばかりなのに内容を忘れてしまった夢に似て、もやもや感が残るような心地がたまりません。
脱力系のへんてこな味わいがお好きな方に、お薦めです。
(2012年9月読了)
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大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。