豚がつづる読書ブログ
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アリス殺し 小林 泰三 東京創元社 2013-09-20 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
大学院生の栗須川亜理は最近、「不思議の国のアリス」の世界の夢ばかり見ることに気付く。
夢の中でハンプティ・ダンプティが塀から落ちて死亡すると、現実の世界でも玉子のような体型の大学研究員が墜落死したという。
夢と現実とのリンクを確信した亜理は、同じことに気付いた同級生の井森と現実世界と夢の両方で犯人探しを開始するが・・・。
ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」をモチーフとした作品。
原作通りの一筋縄ではいかない世界観、登場人物達のナンセンスな言動が巧みに再現されており、キャロルが描く「不思議の国の殺人事件」といった感じでした。
謎は二つあって、連続殺人の真犯人は誰かという謎と、二つの世界のキャラクターのリンクの謎(夢の世界と現実世界の誰が同じ人物なのか)の二つを推理していくわけです。
不思議の世界では出てくるキャラのほとんどが「信頼できない語り手」ばかりでアリバイや証言が適当なので、一見まっとうな推理は不可能に見えます。
でもそんないい加減な世界でも論理的な推理が構築され、一本の細い筋を辿るように真実が浮かび上がってくるというのがまさに目からウロコ、びっくりでした。
容易に真相へたどりつけないように工夫されていますがごく自然な感じで、騙されました。
不思議の世界のかみ合わない冗長な会話にいらいらさせられるのと、目を覆いたくなるおぞましい描写が多い点を除けば、パーフェクトな作品だと思いました。
(2014年4月読了)
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自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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