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豚がつづる読書ブログ
探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA) 探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)
東 直己

早川書房 1995-08

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★★

札幌のススキノで探偵兼便利屋を生業とする〈俺〉のもとに、行方不明の恋人を探して欲しい
という依頼が舞い込む。
調べていくと、その失踪した女が先頃起こったデートクラブ殺人と関係があることが分かるが・・・。

ハードボイルド小説は好きなのですが、この小説は私には合わなかったみたいです。

起こる事件も至極オーソドックスでスケールが小さく、謎を解いていく楽しみを追求するような話ではありません。
かといって魅力あるキャラクターの粋な会話の掛け合いも期待できず。

地の文がずっと〈俺〉の一人称なので、全てが平坦に進んでいくので盛り上がりに欠けます。
登場人物は多いのにキャラクターに特徴があまりないので、会話シーンでは誰が話してるのか分からなくなりました。

また、主人公の〈俺〉が28歳の若造のくせに、10代~20歳くらいの人を「子供」と呼ぶのにも違和感を感じます。
〈俺〉は北大卒であることを誇りに思っているようで、周囲のチンピラやアホな人を冷笑的に見ているのがたまらなくイヤでした。

彼が自暴自棄めいた生活を送っているのは過去に何らかの要因がありそうですが、その事情は本作では語られないので、彼の背景がよくわからなかったのも面白さを感じられない原因かもしれません。

北海道ならではの冷たい空気感やススキノの猥雑な雰囲気もいまいち伝わってこないし。

残念ですが、原 尞の劣化版という印象です。

(2014年11月読了)
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読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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