豚がつづる読書ブログ
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天才までの距離―美術探偵・神永美有 (文春文庫) 門井 慶喜 文藝春秋 2012-08-03 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
美術品の真贋を舌で見分ける天才美術探偵・神永美有シリーズ第二弾。
「筆を持たない芸術家」と呼ばれた岡倉天心の直筆画ははたして本物かどうかを推理する表題作『天才までの距離』。
佐々木の幼馴染の家で見つかった日本画家・平福百穂の切り絵についての話『文庫本今昔』。
結婚を決意した相手の男性から贈られた古時計の謎を解く『マリーさんの時計』。
ある文化人の「日本は中国の属国」という発言にイヴォンヌが激昂し、牧谿の水墨画を巡る真贋対決に佐々木が巻き込まれる『どちらが属国』。
神永美有の父親や佐々木と因縁のある人物からの依頼により再び岡倉天心の真筆かを推理する『レンブラント光線』の五作品。
前作のラストで、いつまでも神永に依存してはいけないと、神永と決別をした主人公の佐々木先生がどのような経緯でまた神永と関わるようになるのか読む前から気になっていたのですが、結構なし崩し的に復縁したので佐々木先生の決意はなんだったのか・・・とちょっと思いました。
前作のラストで、いつまでも神永に依存してはいけないと、神永と決別をした主人公の佐々木先生がどのような経緯でまた神永と関わるようになるのか読む前から気になっていたのですが、結構なし崩し的に復縁したので佐々木先生の決意はなんだったのか・・・とちょっと思いました。
また二人の推理合戦が読めるので勿論嬉しいですが!
前作同様、今作でも、美術品の真贋を追及していくと結果的に視点をずらされたり、もっと大きな枠組に視点が拡大したりしていて趣向に富んでいました。
前作同様、今作でも、美術品の真贋を追及していくと結果的に視点をずらされたり、もっと大きな枠組に視点が拡大したりしていて趣向に富んでいました。
衒学的なうんちくが鼻につくこともありますが、登場人物たちの細やかな情感を練りこまれた文章や会話が滋昧に満ちていてしみじみと感じ入りました。
時折登場する佐々木の元教え子・イヴォンヌもインパクト大。
時折登場する佐々木の元教え子・イヴォンヌもインパクト大。
彼女は問題を持ち込んでくるトラブルメーカーなのですが、物語のアクセントというか、話を進行させたりひっかきまわしたり、話の締めにも使えるキャラでもあるのです。
実は話を盛り上げる一番の重要な脇役だと思うので、とんちんかんなことを言ってても憎めません。
また次作でもイヴォンヌの活躍を期待してます。
(2017年4月読了)
また次作でもイヴォンヌの活躍を期待してます。
(2017年4月読了)
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天才たちの値段―美術探偵・神永美有 (文春文庫) 門井 慶喜 文藝春秋 2010-02-10 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★★5つ!
美術品の真贋を眼力ではなく舌で見わけるという天才美術探偵・神永美有が、ボッティチェッリやフェルメールなどの泰西名画から正倉院宝物まで、様々な美術品にまつわる謎を快刀乱麻を断つかのごとく解き明かしていく。
美術探偵・神永が、ちょっとまぬけで人の好い美大講師・佐々木をお供に、美術品の真贋を味覚で判定するという美術ミステリーの連作短編集。
この作品では、美術品の価値の高低は真贋や芸術的な優劣という基準だけではなく、歴史的な研究対象としての価値であったり個人的な思い入れのある特別な品であったりという様々なアプローチで、美術品の魅力に迫っていきます。
単に美術品の鑑定での謎を解いていくだけに収まらず、その品に関わった人たちのさまざまな思いや心の動きが明らかになっていき、視点を変えると見事に一転した真実が見えてきて思わずカタルシスを憶えるという、素晴らしい構成になっています。
ホームズ役の神永とワトソン役の佐々木のコンビの推理合戦も楽しいわ、知的好奇心も刺激されるわ二転三転する構成も楽しいわで、文句のつけようの無いほど面白かった!
悪い人が一人も出てこないというのも読みやすい一因だと思いました。
ラストもいいんですよねー。
頼りないと思ってた佐々木の成長ぶりがグッときます。
鮮やかな謎解きと美術の世界の奥深さが味わえる、贅沢な一冊でした。
(2017年2月読了)
おさがしの本は (光文社文庫) 門井 慶喜 光文社 2011-11-10 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
図書館のレファレンスカウンターで本の相談を担当する和久山。
彼のもとには様々な本にまつわる難題が持ち込まれ、それを解決していくというミステリ短編集。
本のうんちくがくどいけど、中々面白いなあ・・・と思いながら読んでいくと、終盤は主人公が図書館存続をかけた議論に巻き込まれ、参考人として市議会で招致されるという壮大(?)な話に発展していきます。
読者の斜め上をいくこの展開の切れ味の鋭さには、舌を巻きました。
また、最終的な落としどころがとってもリアルで、地方自治の在り方や図書館の存在意義についても考えさせられます。
ユーモラスな機微に富みながらシリアスな変化球を読み手の心にぶちこみ、そしてほんの少しの恋の予感も感じさせてくれる――滋味あふれる粋なお話でした。
(2013年9月読了)
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sis
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非公開
趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
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