豚がつづる読書ブログ
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とんずら屋請負帖 (角川文庫) 田牧 大和 角川書店 2013-10-25 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
「弥吉」を名乗り、男姿で船頭として働く弥生。
弥生の働く松波屋には、船宿という表の顔のほかに「とんずら屋」という裏の顔があった。
逃げなくてはならない事情を抱えた人々を、相当の金子と引き換えに逃がすという商売だ。
弥生はとんずら稼業を手助けするが、もっとも見つかってはならないのは実は弥生自身だった――。
とんずらって言葉を久しぶりに聞きました。
とんずらって言葉を久しぶりに聞きました。
夜逃げのことですね。若い人は知ってるのかな、この言葉。
とんずらの依頼ごとに一つの短編となっており、読み進めていくと少しづつ弥生の過去が明らかになっていきます。
自分の境遇に悩みながらも与えられた仕事や環境に取り組み、それでも右往左往しながらもがいていく彼女の姿にはおのずと応援したくなるものがありました。
とんずらの依頼ごとに一つの短編となっており、読み進めていくと少しづつ弥生の過去が明らかになっていきます。
自分の境遇に悩みながらも与えられた仕事や環境に取り組み、それでも右往左往しながらもがいていく彼女の姿にはおのずと応援したくなるものがありました。
弥生は結構うじうじと悩んで、他人を巻き込まないために取った行動がまた人を巻き込む結果になったりもするんですが、その行動に至るまでの心情や境遇がきちんと納得のいくように描かれているのでいらいらせずに読めました。
18歳の娘が男装する(しかも女だとバレない)とか、脇を固める男たちがやたらと全員イケメンだとか、なんだか設定がファンタジーとか乙女ゲームっぽいところが腑に落ちませんが…。
まあ、まだ解明されていない謎もあるので、次巻が楽しみです。
(2016年3月読了)
18歳の娘が男装する(しかも女だとバレない)とか、脇を固める男たちがやたらと全員イケメンだとか、なんだか設定がファンタジーとか乙女ゲームっぽいところが腑に落ちませんが…。
まあ、まだ解明されていない謎もあるので、次巻が楽しみです。
(2016年3月読了)
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緋色からくり―女錠前師謎とき帖〈1〉 (新潮文庫) 田牧 大和 新潮社 2011-09-28 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
どんな錠前も開けると評判の女錠前師、お緋名。
猫と暮らす緋名の家に現れたのは、用心棒志願の堤康三郎という得体の知れない浪人。
その直後に賊の襲撃を受け、緋名は四年前に死んだ恩人のお志麻の死との関連を疑う。
彼女は何故に襲われたのか、榎康三郎とは何者なのか・・・疑心から緋名は事件の核心に迫っていく。
長編ならではの伏線や真相に近づいていくサスペンスフルな物語展開も、最後まで気を抜かせず、面白かったです。
さらりとした感触で読みやすい物語ですが、登場人物たちの感情の綾を丁寧に明らかにしていく繊細な描写が読後に穏やかな感動をもたらしてくれました。
心が温かくなる感じをまた味わいたいので、続刊も読もうと思います。
(2015年7月読了)
半可心中 濱次お役者双六 (講談社文庫) 田牧 大和 講談社 2014-04-15 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
森田座の看板役者・紀十郎が新作芝居の相手役に濱次を大抜擢。
しかし出世欲のない濱次には荷が重く、逃げ足したくなるばかり。
そんな折、偶然助けた心中未遂の娘に心を乱され、濱次は役に集中できず絶不調。
役者として迎えた正念場、濱次は乗り切ることが出来るのか―。
濱次お役者双六シリーズ四作目。
四作目にして、とうとう濱次が役者双六のマスを進めてくれました。
今一つ役をつかみきれない濱次は、今まで避けていた苦手な「人情」にも真正面から取り組み、与えられた役を自分のものにしていきます。
私は幽霊の初代香風さんの力を何かしら借りて役者として成長していくのかと予想していたのですが・・・、こんな正攻法なやり方で一皮むけていくとは。
でも、オーソドックスな展開でしたがすごく読ませてくれました。
濱次が触れる、市井の女性達の繊細な感情の移り変わり。
愛するがゆえに身を引く女心も、恋に恋する娘の現実的な折り合いもちゃんと描かれ、濱次が浮世の人情を自分の中で咀嚼し演技に昇華させていく様子は、作品により精彩を与えていたと思います。
今回はミステリというよりも芝居の描写中心で、作者の本領発揮という感じでした。
これからも濱次の成長に寄り添って読んでいきたいシリーズです。
(2015年3月読了)
翔ぶ梅 濱次お役者双六 三ます目 (講談社文庫) 田牧 大和 講談社 2012-12-14 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★
実力があり周囲から期待されているのに、本人には出世しようという野望も無いのんびり屋の濱次。
そんな森田座の大部屋女形、濱次が主役のシリーズ三冊目。
今回は3篇の短編集。
舞台でとちった役者が詫びとして楽屋中にふるまう蕎麦をめぐる「とちり蕎麦」は軽めの前菜。
次の「縁(よすが)」は天下の中村座から濱次の引き抜き話が持ちかけられるが、当然ながらそこには裏事情があり・・・というお話で、主菜に当たる短編。
最後の「翔ぶ梅-香風昔語り」は師匠の仙雀と今は亡き香風の若き日のお話。
おまけのスピンオフって感じです。
周囲が放っておけないほどの濱次の才能がどんなもんか、見てみたいですね。
映像化されたら・・・と、今から楽しみです。
才能や華の無い者が、それを持つ者に嫉妬して一騒動、みたいな「アマデウス」的展開を期待したのですが、そんなふうにはならない軽みもいい感じです。
外堀を埋められつつある濱次がどう腹を括るのか、お楽しみは次巻に。
(2014年10月読了)
質草破り 濱次お役者双六 二ます目 (講談社文庫) 田牧 大和 講談社 2012-08-10 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★
濱次お役者双六”シリーズ、「花合わせ」に続く第2弾。
長屋を追い出された大部屋女形の濱次は、訳有りの住人ばかりが集う烏鷺入(うろいれ)長屋に
引っ越すことに。
新しい家主のおるいは大の芝居者嫌い。
おるいのいとこである座元から、彼女の芝居者嫌いの原因を探るように命じられた濱次だが・・・。
一作目と同じく、軽いけれども滋味あふれる筆さばきにさらさら読んでしまいました。
多数の登場人物達の絡み合う思惑をきれいに交通整理して、うまく大団円に持っていく
手腕は本当にお見事。
期待を寄せる逸材ながら野心がなくのんきすぎる濱次が、周囲から尻をたたかれながらも精進し、
出世双六をすすめていくというのがこのシリーズの醍醐味のようですが、二巻目ではまだまだ
出世の端緒にも及ばず。
これから濱次がどんな精神的成長を見せてくれるのか、すごく続きが楽しみなシリーズです。
(2014年9月読了)
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sis
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非公開
趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。
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