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豚がつづる読書ブログ
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★★★★★5つ!

野趣あふれる庭を持つ古い家で、手仕事をする女性4人の同居生活。
最初はスローライフの淡い友情物語かと思いきや、全然違いました。

りかさんという人形を中心に、先祖をめぐってのミステリーの様相をおびたり、ひいてはいくつかの話が縦糸と横糸となり、生命をテーマとした壮大なタペストリーと綾なしていく。

時代や命の連続性の中で先に進むために変容する、ということを圧倒的な、でも静かな筆致で綴られていきます。

過去を携えつつ未来につなげてゆくために、焔で燃やし尽くしてまで進んでいくその先には何があるのか。

梨木さんは一貫してこの「生の連鎖」をテーマに描いていると思うのですが、次はどんな連鎖を見せてくれるのか、生ある限り続いていくこのマグマの虜になってしまいました。

(2007年8月読了)

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★★★★★5つ!

亡くなった叔母から「家宝」を引き継いだ久美。
それは不思議な卵や人もどきの生物を生み出すぬか床だった。

最初は家族の死を探る幻想ミステリーのようだったのが、だんだん読み進むにつれて壮大なバイオSFファンタジーに・・・。

すべての生物は何のために生まれ、どこを目指しているのか。
細胞や遺伝子というレベルで生命の連鎖を描いており、目を開かされた。
生命の営みの最終的な目的が太古の細胞の孤独によるものだという説は、ありえそうで驚愕。

男であることを捨てた(でも女になりたいわけではない)風間さんのジェンダー論は、生命の神秘にまつわる横糸につながっていく。

突拍子もない話なのに、不思議に現実的で飄々とした登場人物がすてき。
壮大で冷静な話の展開についていくのに精一杯。

少し違う視点で世界を見せてくれるいつもの梨木ワールドには変わりない。それがこんなふうに、細胞のように進化(深化?)していくとは。
次はどんな世界を見せてくれるのか期待。
 
(2006年8月読了)
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プロフィール
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sis
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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