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豚がつづる読書ブログ
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勝ち逃げの女王: 君たちに明日はない4勝ち逃げの女王: 君たちに明日はない4
垣根 涼介

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★★★★

「君たちに明日はない」シリーズ第4弾。
今回のターゲットは航空業界や音楽業界、外食産業など。

4作目だし、そろそろマンネリかなーと思いきや、心にすとんと落ちて響いてくる話をぶつけてきた。
「ノーエクスキューズ」、「永遠のディーバ」、「リブ・フォー・トゥデイ」、どれも良かったなあ。

ままならぬ人生のほろ苦さが読み終えて舌に残る、滋味あふれる佳品ばかり。
このシリーズを読むたびに自分自身の仕事観を省みて、いろいろ気づかされる。
日々を生きる中で感じている、自分のもやもやとした感情に言葉を与えてくれるから、このシリーズが好きなのかも。

(2013年3月読了)

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★★★★

旅行会社に勤め、ありふれた日常への疑問を抱えて日々を送る坂脇恭一27歳。
冴えない中年ヤクザと同棲し、美人局の片棒をかつぐ元OL田所圭子23歳。
ある時、圭子が恭一の同僚をカモろうとしたことから二人は出会い、絶望の底なし沼へと転がり堕ちていく。

作中に「(自意識や社会の)フレーム」という言葉が何度も出てきて、印象に残った。
心の裡に凶暴な獣を飼いならし、普通に生きているだけでは足りない主人公が、あるとき不意にフレームから逸脱していく。

読んでいて、彼の危うさや貪欲さに思わず惹かれてしまうのは、そこに自分にも通ずる気持ちの断片が描かれているからだろう。
社会のルールや暗黙の了解をとっぱらったところで自意識のフレームがゆらぎ、突き抜けていこうとするさまは、誰にもありうる気持ちの移り変わりなのかもしれないと思わせてくれる。

インモラルな二人のねじれた関係に心がざわざわしつつ、ドライブ感のある文章によって生まれる疾走感に酔いながら、一気に読んでしまった。
結末は爽快感があって良かったけど、苦い落とし穴が用意されているだろう二人の未来はなんだか切ない。

(2012年6月読了)  
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★★★★★5つ!

戦後の日本政府が行った「棄民政策」と呼ばれる移民政策。
意気揚々と新天地を求めて南米に向かった移民たちを迎えたのは、想像を超えた過酷な現実だった。
四十年後、犠牲者達の子孫は入念に準備を重ね、日本政府への報復を始めた――。

すごく面白かった!
圧倒的なスケール、最後の最後まで途切れのない緊張感、骨太なテーマ、魅力あふれる人物造形、どれをとってもケチをつけたいところはなかったです。

最終目的は決まっているんだけど、そこへ至る道がまさに紆余曲折。
フルスロットルで爆走する物語が、途中でどう転がるのか予想がつかなくてハラハラ。
こんなデッドオアアライブなお話をテンポよく畳んでいく手さばきに大興奮。
躍動感とか、生の迸りとかいうものを文章の端々から感じて、おなかの底から熱くなりました。

陰惨なお話なのに、陽気で女好きのラテン感覚が物語を明るく救っています。

頭の芯がしびれるような南米の景色が、読んでいる間、目の前に広がって見えました。
沖縄旅行に持っていって読んだのですが、ぴったりでした。

(2012年3月読了)
 

★★★★

「君たちに明日はない」シリーズの三作目。

リストラ請負会社で働く真介は、今回も色々な会社に赴きリストラ候補者との面接を繰り広げる。
今回の依頼先は英会話学校や旅行代理店、自動車ディーラー、出版社。

人と人とのつながりを描く中で、仕事とは何かを考えさせられる。
明るくはないテーマですが、真摯に仕事に向き合う姿勢がとても後味が良い。

真介と陽子の仲の進展が無くちょっとマンネリを感じたので、続編を期待してます。

(2011年1月読了)

★★★★

「君たちに明日はない」の続編。
リストラ請負会社で働く真介と恋人の陽子の、その後のお話が読めます。

一番印象に残ったのは、表題作の「借金取りの王子」。
元ヤンの女上司がとても素敵なんだなあ。
優しさに裏打ちされた強さだからこそ、彼は惹かれたのでしょう。

主人公の彼女といい、美人秘書といい、いい女目白押しです。

「優秀な人間ほど会社に固執しない。」
優秀ではない身にとっては非常にいたたまれないです…

(2009年7月読了)

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プロフィール
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sis
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非公開
趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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