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豚がつづる読書ブログ
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神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫) 神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)
上橋 菜穂子

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★★★★

逃亡を続けるバルサとアスラは、聖地ジタンを目指していた。
しかし待ち構えていた罠に落ち、アスラは敵の手に落ちてしまう。
残酷な神へと近づく少女に、バルサの心は届くのか。

大きな力を持つアスラは未熟な子どもであるにもかかわらず、重いものを背負わされる。
彼女を利用しようと企てる周囲の大人達の中で、かつての自身の境遇を重ね、アスラを一人のただの少女として扱い、生かそうとするバルサ。
過酷な運命を生き抜き、多くの人の命を奪ってきたバルサだからこその、視点。
選ばざるを得なかった選択に逃げずに向き合ってきたバルサの言葉は重く、読み手の心に響く。

辛い選択を迫られたアスラの状況は悲しいけれど、いつかまた戻ってきてくれる、そう希望を思わせてくれるラストも良かったです。

(2011年5月読了)


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神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)
上橋 菜穂子

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★★★★

市場に出かけたバルサとタンダは、ロタ国で虐げられるタルの民の兄妹を、人買いから助け出す。
妹のアスラが残酷な異界の神を宿しているためにロタ国の呪術師から命を狙われていることを知ったバルサは、アスラを連れて追われる身となる。

今回の舞台はロタ国。
北部と南部の氏族の確執や、王家、タルの民の思惑が複雑に絡み合うなか、それぞれの立場で異なる正義をそれぞれが求め、主張し合います。
立場が異なると物事の見え方が変わるというのは、現実の世界情勢を見ているようで、物語を奥深いものにしています。

追っ手側の論理にも一理あり、いろんなことを考えさせられました。

下巻に続く。

(2011年5月読了)

虚空の旅人 (新潮文庫)虚空の旅人 (新潮文庫)
上橋 菜穂子

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★★★★

新王即位の儀式のために隣国サンガル王国に招かれた、皇太子チャグムと星読博士のシュガ。
時を同じくして、“ナユーグル・ライタの目”と呼ばれる海の民に魂を奪われた少女が現れ、サンガル王家の存亡を危うくするような陰謀が密かに進行していた。
次々と起こる陰謀にチャグムたちは巻き込まれていく―。

それぞれの思惑と立場から取る行動が、やむにやまれぬ衝突を生み、ドラマを紡ぎ出していく。
緻密に構築された世界の枠のなかで展開される、かっちりとした勧善懲悪のお話なので、安心して読めました。

今回、チャグムの成長がなんともすがすがしく、涙が出そうになった!
皇太子としての立場から逃げず、まっすぐに悩み、無力さをばねにして問題に立ち向かってゆく彼。
親戚の子が成長した姿を見守るかのように、思わず感慨にふけってしまいます。
この巻以降、物語が大きく動くみたいなので、チャグムの動向にも目が離せません。

サンガルの賢い女たちもかっこ良かったし、読みどころ満載の外伝でした。

(2011年4月読了)

★★★★

守り人シリーズ第三弾。

今回は、女用心棒バルサの幼なじみのタンダとその師匠トロガイ中心のお話。
人の夢を糧とする異界の花に囚われたタンダを、バルサは救うことができるのか―?

自分を傷つけない、優しい夢の世界。
現実から逃避し目覚めたくない気持ちはよーくわかるので、こたえました。
それでも厳しい現実を生き抜くバルサの意志が力強く、励まされます。

バルサとチャグムの再会、バルサとタンダの絆が嬉しかった。

普遍的なテーマのお話で、余韻がとても深い。

(2010年5月読了)
闇の守り人 (新潮文庫)闇の守り人 (新潮文庫)
上橋 菜穂子

新潮社 2007-06

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★★★★★5つ!

「精霊の守り人」の続編。

二十五年ぶりに、裏切られた祖国に戻ったバルサ。
過去に決着をつけようとする彼女を、国の存亡に関わる陰謀が襲う。
命がけで戦う中、彼女はその過酷な運命から目を逸らさずに立ち向かっていく。

自らの傷みを引き受け、覚悟を決めて乗り越えてゆくバルサが最高にかっこいい。
目頭が熱くなりながらも、自らの生き方を問われているようで途中から佇まいを正して読むことに。

また、心の裡を多くは語らないのに心情をうまく捉え、伝える技量が素晴らしい。
読んでいるとバルサの気持ちにぴったり寄り添い、物語世界に没入してしまう。

終盤の圧巻の展開には、鳥肌が立った。

この作品の凄さを、言葉ではとても言い表せない。
守り人シリーズの中でも一番好きな作品。

(2010年4月読了)
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プロフィール
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sis
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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