「5分後に意外な結末 3白い恐怖」

3白い恐怖 (5分後に意外な結末) 学研教育出版 学研教育出版 2013-12-17 Amazonで詳しく見る by G-Tools

★★★

児童向けの、ショートショートを集めたアンソロジー集。

皮肉めいたどんでん返しが多いのですが、笑える話やちょっぴり悲しい話、ほろりとするお話もあって、読みごたえがありました。

ラストの「魔法とランプと人生」には、人生の悲哀が描かれていて心揺らされます。

子ども向けの割には大人にならないとぐっとこないお話も入っていますが、まあ、子どもは子どもなりに、お話を受け止めて消化するんだろうな、と思います。

(2014年9月読了）

「世界堂書店」アンソロジー

世界堂書店 (文春文庫) 米澤 穂信 文藝春秋 2014-05-09 Amazonで詳しく見る by G-Tools

★★★★★5つ!

外国の小説を中心とした、米澤穂信が選んだアンソロジー集。

そうそう、こういうの読みたかった、と気づかせてくれる作品集。

何て人に説明すればいいんだろう。

硬質かつ幻想的な言葉で構築された、凡庸な読後感を抱かせないこの世界観。
鈍感こそがもっとも手に負えない悪だよね、とか、恋愛ごっこなんかよりずっと
貴重だと思える心の交流だとか。

聖なるものの中に果てしなく猥雑な核を持っている感じ。
言葉にするには圧倒的に足りない、痛切なこの感じ。

世界の規格にことごとく自分が合っていないと感じる時に、
ここに陳列された作品が持つ座りの悪さが、どうしようもなく心地よいと思うでしょう。

(2014年9月読了）

「本をめぐる物語－一冊の扉－」アンソロジー

本をめぐる物語 一冊の扉 (角川文庫) 中田 永一 宮下 奈都 原田 マハ 小手鞠 るい 朱野 帰子 沢木 まひろ 小路 幸也 宮木 あや子 ダ・ヴィンチ編集部 KADOKAWA/メディアファクトリー 2014-02-25 Amazonで詳しく見る by G-Tools

★★★

本をテーマとしたアンソロジー。

それぞれ「本」「読書」に対するアプローチが様々なので、飽きずに楽しんで読みました。

中田永一「メアリー・スーを殺して」は、オタク趣味の少女が二次創作小説を書くように
なるが、いわゆる『メアリー・スー』（ファンが二次創作の中に登場させた自己投影した
キャラクターのこと）に悩まされ・・・という話。
小説を書くことで現実と向き合った結果、小説から離れてしまった少女が、世界を広げて
いったその先でまた小説と出会うという、本好きにはたまらない素敵なお話でした。

小路幸也「ラバーズ・ブック」はノスタルジックな雰囲気が印象的。
この世界観でもっと続きを読んでみたい。

宮下奈都「旅立ちの日に」は短いけれど好感の持てる話だったし、原田マハ「砂に埋れた
ル・コルビュジェ」も整理されていない感情をうまく表現している、センスが感じられる
お話でした。

他の作品を読んでみたい作家が増えてしまうので、アンソロジーは困ります。

(2014年8月読了）

「本をめぐる物語－栞は夢をみる－」アンソロジー

本をめぐる物語―栞は夢をみる (角川文庫) ダヴィンチ編集部 KADOKAWA 2014-03-25 Amazonで詳しく見る by G-Tools

★★★

本にまつわるアンソロジー。
どのお話にも本が登場し、不可思議なストーリーに仕上がっています。

柴崎友香や北村薫の短編も面白かったのですが、一番印象に残ったのは中山七里の
「『馬および他の動物』の冒険」というお話。

古書を主人公に据えることによって醸し出される静謐な雰囲気が心地よく、心に深い余韻を
残してくれました。

物語に入りこむ前に読み終わってしまった話もありましたが、割と全部面白く、楽しんで読みました。

(2014年8月読了）

「5分後に意外な結末 2青いミステリー」

2青いミステリー (5分後に意外な結末) 学研教育出版 学研教育出版 2013-12-03 Amazonで詳しく見る by G-Tools

★★★

ショートショートを集めたアンソロジー第二集。

短い話ばかりなので、隙間時間にちょこっと読めるので手に取りやすいです。

どれもブラックユーモアにあふれたお話ばかり。
物語が思いもよらぬ方向に転がっていく快感を味わえました。

(2014年9月読了）