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豚がつづる読書ブログ
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機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ・ミステリワールド) 機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ・ミステリワールド)
月村 了衛

早川書房 2014-11-07

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★★★

舞台は日本の近未来。機甲兵装(小型二足歩行兵器ロボ)を利用した凶悪な犯罪に対抗するため警視庁は龍機兵と呼ばれる新型機を導入し、傭兵や元テロリストなどを雇って特別組織SIPDを編成した。
閉鎖的な警察組織内に大きな軋轢をもたらしたSIPDは、SATと激しく対立しながらも密造機甲兵装による立て篭もり事件の真相に迫っていく。

アニメとかで観たことあるなあ・・・と既知感たっぷりの設定。
パトレイバーと攻殻機動隊と新宿鮫を混ぜたようなお話でした。

スピード感のあるリアルなアクションシーンや、緊張感あふれる警察内部の軋轢や駆け引きなど、要所要所に見せ場があるメリハリの利いた映画を観ているようでした。

曲者ぞろいの登場人物たちのひょうひょうとした会話も楽しいし、骨太な警察小説としても魅力的。

ただ、シリーズ化を前提としているのか、本書はまだ序章といった感じで、一つのエピソードは完結しているけどもこの本単体では話がまったく終わってません。

「龍機兵」自体も謎だし、警察内部の巨悪や登場人物たちの秘められた過去も、匂わせるだけで終わっています。
今後、どのようにキャラの過去を掘り下げ、話に絡めていくのか、読み進めていきたいです。

(2015年1月読了)
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水底フェスタ (文春文庫) 水底フェスタ (文春文庫)
辻村 深月

文藝春秋 2014-08-06

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★★★

昔からのしがらみが残る閉鎖的な村が誘致した野外フェスティバルで、村長の息子・広海は由貴美と出会う。
村を捨て東京へ出て行ったモデルの由貴美に広海は魅了され、「村への復讐に協力してほしい」という彼女の企みに応じることになったが、実は由貴美には真の目的があった。

タイトルからは予想もつかない内容で、非常に怖いお話でした。

まず、古い因習に縛られたいわゆる「田舎」の描写がいかにもありそうで、そこはかとなくリアル。
村ぐるみでどんな不都合も隠蔽する排他的な共同体の様子が細かくスケッチされていて、過剰な展開も絵空事でないと思わせてくれます。

そして、穏やかだけれども退屈な日常に倦み閉塞感を覚えている広海は、由貴美という外部の「異端」に触れたことによって、信じていた世界がガラガラと音を立てて崩れ、それらが実は欺瞞に満ちたものだとわかってしまうのです。
・・・ほんと、救いの無い話。

一番哀れだったのは、由貴美でしょう。
因習を嫌って村を出て行ったはずの彼女がいちばん村に囚われ、身動きがとれない状態。
仕事や人間関係に傷ついた彼女は「血縁」(=究極の地縁)という拠り所を求めていただけなのに、それを広海の父親に否定され・・・、ただただ可哀想でした。

今まで辻村さんの作品は、自意識過剰な思春期の子ども達が閉鎖的な空間(学校)で事件を起こすといったパターンが多かったのですが、このお話もムラ社会という閉じた舞台ではあるものの「大人の理屈」がまかり通る薄汚れた話だったので、こんなのも描けるんだなー、と意外でした。

あと、ファムファタールとしての由貴美が全く魅力的じゃなかったです。
「芸能人」「すごく綺麗」というアイコンはしきりに強調されるんだけど彼女の魅力がちっとも描写されないから、なんだか物語のために動かすコマみたいに感じてしまい、白けてしまいました。

(2015年1月読了)
贖罪の奏鳴曲 贖罪の奏鳴曲
中山 七里

講談社 2011-12-22

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★★★

物語は弁護士の御子柴が豪雨の中、死体を捨てに行くシーンから始まる。
死体を調べた警察は御子柴に辿りつき事情を聞くが、彼には死亡推定時刻は法廷で弁護していたという鉄壁のアリバイがあった。
御子柴を調べた刑事たちは、彼がかつて猟奇殺人を犯した過去があったことを知る。
罪を犯した人間ははたして改心できるのか―?

悪か正義か、謎の人物を軸に据えた先の読めない物語運びには緊迫感があり、一気読みでした。

罪人が罪を贖うのは、ただ救われたいだけ。
何をしたら罪を償うと言えるのか、贖罪というテーマに迫った作者の姿勢には感嘆しました。

ただ、作者が主人公に肩入れしすぎているせいか、エピソードを詰め込み過ぎているせいなのか、ストーリーが過去に飛んで詳細に書き込まれたかと思うとさっと次のエピソードに移ったりと、物語の変調が多く、主題に集中させてくれないので少し読みにくかったです。

また、中盤の医療少年院時代のエピソードがやたら長く、御子柴がどのような経緯で現在の心境に至ったのか十分に納得できたのですが、やっぱり長すぎて他の章とは有機的にストーリーが絡んでいない気がしました。

御子柴の心を揺さぶったピアノの演奏者のその後も気になるし・・・。
(調べたら、他の作品で出てくるようですね)

続編があるらしいので、次も読んでみたいです。

(2013年3月読了)
147ヘルツの警鐘 法医昆虫学捜査官 147ヘルツの警鐘 法医昆虫学捜査官
川瀬 七緒

講談社 2012-07-18

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★★★

火事現場で発見された一体の焼死体を遺体解剖した結果、驚きの事実が判明する。
なんと胃袋が全て消失しているうえに、大量の蛆虫が発見されたのだ。
余りにも異常な遺体の状況に、日本初の法医昆虫学が捜査に導入されることになったが――。

常識に囚われずに自由な発想で動く法医昆虫学者の赤堀涼子と、クモ恐怖症なのに彼女とコンビを組まされ捜査をサポートする岩楯刑事。
この二人の掛け合いが抜群に面白く、一気に読んでしまいました。

謎解きというほど謎解きがあるわけではありませんが、メリハリのある物語運びにセンスを感じるし、個性的でキャラの立っている登場人物が魅力的で、とっても楽しめました。

虫の描写が生理的にちょっときつかったけど、虫たちが事件の真相を教えてくれるという推理方法は斬新。

犯人の犯行意図が弱く、説得力に欠けるところもありましたが、全体的に面白かったです。

(2014年12月読了)
ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫) ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)
三上 延

KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-01-24

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★★★

ビブリア古書堂5作目。
前巻でとうとう栞子に気持ちを伝えた大輔。
彼女の答えは今はただ待ってほしいというものだったが、またしてもいくつかの事件が起こる。

今回もいろんなうんちくが出てきますが、手塚治虫のエピソードが面白かったです。
「ブラックジャック」をまた読み返したくなる人が多いんじゃないかなあ。

それにしても、栞子の母・智恵子は今回も不気味でおっそろしい。
誤解ゆえに起こった知人の家庭の不協和音を、智恵子は知っていて長年放置してたようなのですが、自分の目的のためならば他人はどうなってもいいという感覚がすごく怖い。

栞子は将来母親のようになってしまうのではないかと不安がっているようですが、大輔がいるから大丈夫ですよね。

プロローグとエピローグの叙述トリックばりの対比にニヤリとさせられましたが、ラストではまた不穏な展開になって次作が待ち遠しくなりました!

(2014年8月読了)
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プロフィール
HN:
sis
性別:
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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