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豚がつづる読書ブログ
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インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実 (徳間文庫) インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実 (徳間文庫)
真梨幸子

徳間書店 2012-11-02

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★★★

男女5人を凄絶なリンチの果てに殺して無罪となった男・下田健太。
雑誌のインタビューに応じるという男の母親は、実は生き残ったフジコを引き取った叔母・茂子だった。

「殺人鬼フジコの衝動」の続編。

前作では解かれなかった謎がいろいろ明らかとなってます。
独立した作品というよりも、前作を裏側から逆照射するような、補完的なお話といった感じ。

終始追い詰められているかのようなねちねちとした文章には嫌悪感を覚えつつも、早く続きが知りたくて、ページをめくる手が止まりませんでした。

北九州連続監禁殺人事件作品のモチーフにしているみたいですが、歪んだ狂気や支配と被支配の関係性についての掘り下げがあまりなされず、あっさりとした印象です。
洗脳下に置かれて、逃げられない状態に陥ってしまうまでの詳しい過程や心理にはあまり触れられていないので、下田親子はフジコほどの存在感が感じられませんでした。

社会の常識とは全く別の行動論理を持った人としてはフジコも下田親子も一緒なのですが、フジコとは違って下田親子は殺人に至るまでの背景が描かれないんですねー。
生まれながらのサイコパスって感じで、フジコほどの愛嬌や親しみ(?)を感じられませんでした。

ラストも・・・予定調和だけど、面白かったです。

(2015年2月読了)
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殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫) 殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)
真梨幸子

徳間書店 2011-05-07

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★★★

一家惨殺事件で、ただひとり生き残ったフジコ。
叔母に引き取られ転校することになったフジコはその後も暴力やいじめの標的となり、その心を歪ませていく。
やがて衝動的に最初の殺人に手を染めてしまい、彼女は自らの欲望のために、邪魔な人間を次々と殺していく。

針が振り切れちゃってるかのように短絡的に殺人を重ねていくサイコパスのフジコの様子に魅入られ、あっという間に読み終えました。
目を覆いたくなるおぞましい描写の数々も、突き抜けると喜劇となってしまうんですね。
殺人描写も凄惨すぎて、笑いが込み上げて来ます。

誰もが、自身の幸福を阻害するものとは折り合いをつけながら生きていると思いますが、歪んだフジコにはそんな常識は通用しない。 

幸福追求という、目的は人並みなのにその手段が常軌を逸している彼女の行動論理には全く共感できず、終始イヤ~な感じでした。

でも、決して楽しい読書時間ではなかったのですが、妙に心に残るものがありました。
共感を徹底的に拒む「悪」のキャラクターを描くことで、より深いところで人間の本質の輪郭を捉える事ができるような気がします。

また、最終的にはどんでん返しというミステリとしての仕掛けも施されているのですが、あまり作用されていない感じ。
フェイクが下手なので、読者を真相までうまく誘導できてないと思いました。

なんだかんだいって次の真梨作品を読もうとしている私は、作者の術中にはまっているかもしれない・・・。

(2015年2月読了)
いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
中山 七里

宝島社 2014-01-09

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★★★

ショパンコンクールに出場するためにポーランドに向かった岬は、コンクール会場で刑事が殺されるという事件に遭遇する。
事件を操っているのは、「ピアニスト」と呼ばれる世界的テロリストらしい。
持ち前の鋭い推理力で、「ピアニスト」の正体を突き止めようとする岬は…。

前作と同様、ピアノ演奏シーンの迫力ある描写が圧巻。

ショパンコンクールのファイナリストたちのピアノ演奏描写が延々と続くのですが、それぞれの個性的な演奏を活字に起こすという難易度の高い作業を奇跡的に成功させており、飽きることなく読んでしまいました。

舞台全体に等しく配られる視線が全能感を感じさせてくれるので、とっても心地よいのです。
演奏を四方八方からあまたず眺め尽くした気分になり、読み終える頃にはそれだけでおなかいっぱい、ミステリ部分がどうでもよくなるくらいでした。

スピード感あふれるスリリングな展開で、最後まで飽きさせず読ませてしまう筆力は素晴らしい。
お見事でした。

(2015年2月読了)
迷いアルパカ拾いました (文春文庫) 迷いアルパカ拾いました (文春文庫)
似鳥 鶏

文藝春秋 2014-07-10

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★★★

楓ヶ丘動物園の桃本は仕事帰りになぜかアルパカに遭遇、保護したが飼い主が名乗り出て来ない。
一方、七森さんの友人が失踪していることが判明し、さらには各地の動物園への侵入者が相次いで現れる。
桃本は同僚たちと事件の解決に乗り出すが…。

楓ヶ丘動物園シリーズ。
3作目ということもあっておなじみの個性的なメンバーのキャラもすっかり定着。
今回も服部君のフルスロットルな変態紳士ぶりを楽しみながら、安心して読み進めました。

しかし、飼育員たちののほほんとした会話やマイペースな雰囲気に騙されがちですが、扱う事案は案外ヘビー。
動物園の直面する重たい現実に、やりきれなさを感じました。

軽快でユーモアあふれる語り口ながらも、動物を取り巻く社会的な状況や現場の大変さを読者に伝えてくれる、なかなか得難いシリーズです。

(2015年2月読了)
えんじ色心中 (講談社文庫) えんじ色心中 (講談社文庫)
真梨 幸子

講談社 2014-09-12
売
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★★★

ある少年が、受験戦争を潜り抜けて名門難関校に合格したのに家庭内暴力の末、父親に殺されてしまったという「西池袋事件」。
事件から16年後、新たな悲劇が起こる――。

「西池袋事件」を軸として、2つの仕事をかけもちしながら何とか生活している久保のパートと、落ちこぼれの少年と帰国子女の少女の交流を描く過去のパートが交互に語られる、複雑な構成。

独り言のような一人称が、どこまで現実でどこまで妄想なのかわからなくなります。
時系列もあいまいで先が読めず、ブツ切りのトピックを積み重ねるブログを読んでいるような感じ。
読者の共感を拒む文章が、いっそすがすがしい(笑)!

ミステリとしては破綻しているというか、ちりばめられた伏線がうまく回収されているようには思えないので結末ではカタルシスを味わえないのですが、どの登場人物も病んでいて、その病み描写が読ませどころ。

現代を生きる人の閉塞感を描きたかったのかなー、と思います。

もっと情報を整理して、綺麗で読みやすい構成にすることもできたんじゃないかと感じましたが、多分、あえてこんな構成にしたんじゃないかな。

多面性を持つ複雑怪奇な「人間」をなぞるように、複雑な構成にしたんじゃないかと。

(2015年2月読了)
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プロフィール
HN:
sis
性別:
非公開
趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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