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豚がつづる読書ブログ
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誰かが足りない (双葉文庫) 誰かが足りない (双葉文庫)
宮下 奈都

双葉社 2014-10-16

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★★★

就職活動に失敗して納得のいかない仕事に就いている男性、認知症の症状が出始めた老女、ビデオをまわしていないと部屋から出られない青年、人の失敗の匂いを嗅ぎとってしまう女性・・・
それぞれが何かが「足りない」事情を抱えた、人気のレストラン「ハライ」に同じ日に予約をした6組の客たちの来店に至るまでのエピソードを描いた連作集。

取り返しのつかないものを失ってしまった登場人物たちが、喪失感の中でもがきながらもその喪失自体を受け入れ、明日へのかすかな道筋を見つけていくお話。

ハライは大事な誰かとの温かな思い出の場所だったり、憧れの場所だったりするわけですが、おいしいものを誰かと共有した記憶がその後の人生を豊かにし、どんなことがあってもそれをよすがとして生きていけると思わせてくれる・・・それってとっても尊いし、幸せなことだと思います。

「足りない」ことで満たされ、人生から下りてまた這い上がる時の景色をも楽しむ・・・そんな風に自分も生きていけたらいいなあ。

構成が独特なせいか、少し作り物めいてリアル感がなかったのが気になりましたが…内容は良かったです。

(2015年6月読了)
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シャイロックの子供たち (文春文庫) シャイロックの子供たち (文春文庫)
池井戸 潤

文藝春秋 2008-11-10

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★★★

東京第一銀行長原支店で働く銀行員たちを主人公とした10編の短編集。

短編は主人公が異なり、10人のそれぞれの視点から銀行と言う仕事の日常やトラブルが描かれています。

銀行独特の厳しい社内規定やノルマに追いつめられたり、出世コースから外れて悩んだりする登場人物たちを見ながら「銀行なんて就職するもんじゃねえな…」と辟易しながら読み進めていきました。
すると一話完結型の短編かと思いきや、中盤以降、百万円の現金紛失事件をきっかけたとしたある一つの犯罪が浮かび上がってきて、ページをめくる手が止まらなくなります。
このあたりの情報の出し方がうまくて、抜群のリーダビリティでしたねー。さすが池井戸さん。

思ってもみなかった事実の反転には驚かされ、終盤の展開にもワクワクさせてくれました。

銀行内部でのダイナミックな事件だけではなく、人間関係的なところでも読ませてくれます。
短い一編の中で、登場人物たちの今に至る来歴や事情が簡潔かつ丁寧に語られ、家庭を持つ等身大の個人としても活写されてます。
そういう補助線がちゃんと刻まれているので、一人の立体的な人間像が立ち上がり、読み手は共感しておのずと彼らの感情に寄り添うことができるんですね。
100%悪い人間も出てこないのでとてもリアルでした。

ラストもちょっとモヤモヤしましたが・・・でも面白かったです。
こういう余韻の残る終わり方もたまにはいいと思いました(某作家みたいに、毎回はイヤだけど!)。

(2015年6月読了)
ヒートアイランド (文春文庫) ヒートアイランド (文春文庫)
垣根 涼介

文藝春秋 2004-06

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★★★

ストリートギャング仲間をとりまとめファイトゲームを主催するカオルとアキ。
渋谷を舞台に、彼らストリートギャングと強盗と二つのヤクザ集団が大金をめぐって四つ巴を繰り広げる。
生き残るのは誰か?

いきいきとした男たちのハードボイルド活劇。

渋谷のストリートギャングの生態なんて想像もつかないけど、実際はこうなんだろうなと思わせてくれるいかにもありそうで絵空事でない感じが上手いです。

スピード感、設定、人物造形、どこをとってもエンタメとしての魅力抜群。
先の読めないスリリングな展開に、どきどきしながら一気に読みました。

ただ、魅力的な女性キャラが出てこないのは残念。

こういうタイプの話は大抵モノみたいに扱われる女性しか出てこないので・・・次回作に期待です。

(2015年3月読了)
ヴァン・ショーをあなたに (創元推理文庫) ヴァン・ショーをあなたに (創元推理文庫)
近藤 史恵

東京創元社 2015-02-27

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★★★

フレンチビストロのシェフが謎解きをする日常ミステリ第二弾。

今回も店で起こる小さな出来事をシェフが解決していくお話ですが、料理描写が前回よりも美味しそうで、おなかのすいてる時に夢中になってむさぼり読んでしまいました。
ブイヤベース、ヴァン・ショー、トリュフのオムレツ・・・どれもおいしそう~。

手堅くまとめながら要所要所でほろりとさせられるという、緩急のつけどころも抜群だし、
料理にまつわる様々なディティールを補強する手腕も確かなので安心して読めますね。

今回は三舟シェフの感情の揺れも少し垣間見えて人間臭さも感じられたし、お客に料理を提供するブレない彼の姿勢も納得出来たので、とっても良かった。

今度フレンチに行ったらヴァン・ショーを頼みたくなりました!

(2015年4月読了)
タルト・タタンの夢 (創元推理文庫) タルト・タタンの夢 (創元推理文庫)
近藤 史恵

東京創元社 2014-04-28

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★★★

小さなフレンチ・レストランで起こる出来事の謎をシェフが解いていくという、日常の謎ミステリ集。

どのお話にも美味しそうな料理の数々が出てきて、生唾をのみこみながら読みました。
料理が鍵となった謎解きは気軽な話もありつつ、舌に残る苦さに瞠目する話もあり。
バラエティに富んでいてとても楽しめたし、全編に漂う穏やかな雰囲気に癒されました。

ただ、お話を軽めに浚った印象があるので、人物造形にもうちょっと説得力が欲しかったなと思います。
ちょっと無愛想なシェフ・女性のソムリエ・若いギャルソンなど、彼らの過去をもっと読んでみたい。

(2015年4月読了)
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プロフィール
HN:
sis
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趣味:
読書
自己紹介:
読むのがすごく遅いけど、小さい頃から本を読むのが大好き。

大好きな作家は、ジョン・アーヴィング、筒井康隆、津原泰水、中上健次、桐野夏生、北村薫、金井美恵子、梨木果歩。

コンプリート中なのは宮部みゆき、恩田陸、松尾由美、三浦しをん、桐野夏生、北村薫。今のところ、多分著作は全部読んでいます。
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